米連邦航空局、SAF生産などに対する3億ドルの助成金プログラムの募集を開始
(米国)
調査部米州課
2023年09月26日
米国連邦航空局(FAA)は9月25日、航空分野の脱炭素化に向けた、持続可能な航空燃料(SAF)生産などに対する約3億ドルの助成金プログラム(FASTプログラム)の第1次募集を開始した。
プログラムは、(1)SAFの生産、輸送、混合、貯蔵プロジェクトに対する2億4,453万ドルの助成金(FAST-SAFプログラム)、および(2)航空機の燃料効率を改善し得る温室効果ガス(GHG)低排出航空技術の開発・実証プロジェクトに対する4,653万ドルの助成金(FAST-Techプログラム)の2本で構成される。助成対象は、空港、航空会社、大学、航空・航空宇宙企業、州・地方自治体、非営利団体など。プログラム詳細は、資金供与機会通知(NOFO)を参照。募集は、米国連邦政府助成金WEBサイト(Grants.gov)を通じて、2023年9月25日~11月27日に行われる。FAAは10月2日に、本プログラムに関するウェビナーをZOOMで開催する予定だ(注)。なお、助成金の交付は2024年半ばを予定している。
FAAのローレンス・ワイルドグース政策・国際・環境担当次官は「バイデン大統領の『米国への投資アジェンダ』のおかげで、この重要な活動を加速させるための資金をこれまで以上に手に入れることができた」として、バイデン政権のインフレ削減法(IRA)など気候変動対策施策の成果を強調しつつ、「SAF利用と低排出技術開発を加速させる申請を心待ちにしている」と述べた。
なお、FAAは2021年11月に「航空分野の気候変動行動計画」を公表し、2050年までに航空分野のGHG排出量をネットゼロにするとの目標を発表した(2021年11月16日記事参照)。具体的な施策では、2022年8月に成立したIRAに基づき、今回助成金プログラムの募集が開始されたSAFの生産などに対する助成金や低排出航空技術の開発・実証に対する助成金のほか、石油ベースのジェット燃料と比較してライフサイクルでGHG排出量を少なくとも50%削減するSAFを生産する企業に対する税額控除、バイオ燃料・代替燃料などへの税額控除などが創設された。
(注)ウェビナーは10月2日(月)午後1時(米国東部時間)開催。アクセス方法など詳細はFAAのWEBページ参照。
(葛西泰介)
(米国)
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