第2四半期GDP成長率は前年同期比3.4%、個人消費と農業生産が好調
(ブラジル)
サンパウロ発
2023年09月08日
ブラジル地理統計院(IBGE)は9月1日、2023年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率を発表した。前年同期比で3.4%、前期比(季節調整済み)で0.9%だった。2023年1月に発足したルーラ新政権にとって、2四半期目となる今回のGDP成長率は個人消費と農業の好調が際立った。
インフレ低下、現金給付、雇用改善、自動車購入支援が個人消費押し上げ
需要要素別にみると、GDPの6割以上を占める個人消費支出が前年同期比3.0%増加した。その要因についてIBGEは、インフレ率の低下や低所得者向け現金給付プログラムの給付金額の引き上げや労働市場状況の改善などが寄与したと説明している。また、レベッカ・パリス国民経済計算コーディネーターは、連邦政府が6月5日に発表した低価格自動車の購入を促進するプログラムも個人消費押し上げ要因となったと述べている()。
前年同期比を産業別にみると、農畜産業が17.0%増、工業が1.5%増、サービス業が2.3%増だった(添付資料表参照)。9月1日付のIBGE公式プレスリリースによると、農畜産業が好調だった理由として、雨に恵まれた良好な天候と国際価格上昇に伴う作付け面積の拡大で大豆(24.5%増)、トウモロコシ(13.7%増)、綿花(10.2%増)、そしてコーヒー豆(5.3%増)で伸びがみられたことを挙げている(注)。工業では、石油や鉄鉱石の生産量が多かった「鉱業」が8.8%増と大きく増加したことなどが押し上げ要因となった。GDPの約6割を占めるサービス業が増加した理由として、「金融仲介・保険」(6.9%増)が牽引したとしている。
(注)IBGEのカルロス・バラダス体系的農業生産調査マネージャーは5月11日、6月13日、そして7月13日付IBGE公式サイトで第2四半期の成果の押し上げ要因として、降水量が多く天候が2022年より良かったことと、コモディティの国際価格の上昇で生産者が作付け面積を拡大したことを挙げている。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
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