ガボンのクーデターに対するフランスの反応
(ガボン、フランス)
パリ発
2023年09月01日
中部アフリカのガボンで発生したクーデター(2023年8月31日記事参照)に関し、フランスのオリビエ・ベラン政府報道官は8月30日の閣議後の記者会見で、「ガボンで進行中の軍事クーデターを非難する」と表明した。「大統領選挙の結果が尊重されることを期待するとともに、事態の推移を注意深く見守っている」と述べた。
アフリカのフランス旧植民地諸国でのクーデターの発生は、7月のニジェールに続き、2020年以降で8回目となる。
フランス外務省によれば、ガボンにおけるフランス人在留者数は2022年時点で約7,400人と中部アフリカ地域で最多だ。首都リーブルビルの国際空港近郊にはフランス軍常設基地があり、約350人が駐留している。2023年3月のマクロン大統領によるアフリカ歴訪(関連ブラック ジャック ディーラー)でも最初の訪問国となった、同地域におけるフランスの拠点国だ。
2023年5月時点でガボンに進出しているフランス企業は約80社となっており、大手鉱業・冶金(やきん)グループのエラメットや、石油などの総合エネルギー大手のトタルエナジーズなどが含まれる。ガボンは、南アフリカ共和国に次ぐ世界2位のマンガン産出国(2021年、含有量ベース)で、フランスのマンガン総輸入量の6割をガボンが占める。エラメットは、子会社のコミログを通じてガボンでのマンガン採鉱事業をほぼ独占しており、鉄道運営の子会社と合わせ約8,000人を雇用している。同社は8月30日、「従業員および施設の安全を確保する」として事業を一時停止したが、翌31日には旅客鉄道を除くほぼ全ての業務を再開した。トタルエナジーズは子会社2社を有し、国内7カ所で石油の採掘を行っている。また同社は、2022年6月に豊富な森林資源を有するガボンで持続可能な木材の生産および森林管理事業に参入するため、ガボン森林会社(CBG)に49%の資本参加を行った。
(山田尚徳)
(ガボン、フランス)
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