フランスのマクロン大統領がアフリカ歴訪、アフリカ政策の今後の方向性示唆

(アフリカ、フランス、ガボン、アンゴラ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国)

中東アフリカ課

2023年03月14日

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は3月1~5日、ガボン、アンゴラ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国(DRC)を訪問した。同大統領のアフリカ歴訪は2022年7月以来()。今回の訪問に先立って同大統領は、中国やロシアが影響力を増す中、アフリカに駐留するフランス軍部隊の削減を表明するなど、アフリカ諸国との「新しい、バランスの取れた、責任ある」パートナーシップの形成を提唱していた。

最初に訪問したガボンでマクロン大統領は、フランスがアフリカに干渉する時代は既に終わったと述べ、今後もその方針は変わらないと強調した。軍事・安全保障分野での協力については、現地の軍隊の訓練や装備の強化、軍事基地の現地化に焦点を当てていくとした。同大統領はガボン訪問中に熱帯雨林の保護に係るサミットに参加し、森林や生物保護に関する世界的なスキームに5,000万ユーロを拠出すると発表した。

マクロン大統領は3日にアンゴラを訪問し、同国のジョアン・ロウレンソ大統領と会談。マクロン氏はアンゴラを「戦略的パートナー」とした上で、2億ドルの援助パッケージを発表するなど、今後は農業協力を強化し、アンゴラの経済多角化や食料安全保障を支援することを約束した。また、DRC東部の北キブ州でのDRC政府と反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」間の紛争(関連ブラック ジャック 賭け)にも言及し、ルアンダ和平プロセスを通じて緊張緩和を目指すロウレンソ大統領の仲介努力を称賛し、同和平プロセスへの支持をあらためて表明した。

M23を巡る問題について、マクロン大統領は最後に訪問したDRCで同国のフェリックス・チセケディ大統領とも議論を交わした。チセケディ大統領がM23を支援するルワンダに対する国際的な制裁を要求したのに対し、マクロン大統領は現在進行中の和平プロセスによる解決を求めた。一方で「M23とそれを支援する人々への非難について非常に明確に示してきた」とした上で、「彼らがそれを尊重しないならば、制裁を加えることができる」と警鐘を鳴らした。マクロン大統領は紛争に係る人道支援として、EUの支援パッケージを通じた3,400万ユーロの拠出を発表した。

マクロン氏はアンゴラ訪問後の数時間でコンゴ共和国を訪問し、同国のドニ・サス・ンゲソ大統領と会談。農業や気候変動、安全保障など多岐にわたる協力を約束した。

(梶原大夢)

(アフリカ、フランス、ガボン、アンゴラ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国)

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