2023/2024新年度初月(7月)の郷里送金は前年同月比5.9%減

(バングラデシュ)

調査部アジア大洋州課

2023年08月18日

バングラデシュの新年度2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)の初月に当たる7月の同国への郷里送金は、前年同月比5.9%減の19億7,315万ドルだった。

バングラデシュ中央銀行(BB)の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022/2023年度全体は216億1,066万ドルで、前年度比2.8%増となった。また、郷里送金額が2023年3月は回復傾向にあった中で、4~5月には前年同月比でマイナス10%を超える減少幅となっていたが、6月にはイスラム教の祭典「犠牲祭(Eid ul-Adha)」に向けた送金が後押しし、同年度で最高額の21億9,901万ドルまで回復し、前年同月比で19.7%増と、底堅い結果だった。一方で、7月の送金額は19億7,315万ドルで、前月比で10.3%減少した。 バングラデシュでは毎年、犠牲祭の翌月に送金が減少する傾向がみられるという(添付資料表1参照)。

なお、政府と市中銀行にとって、郷里送金に加えて外貨獲得の主要手段の輸出は、2022/2023年度の輸出額で前年度比6.7%増と過去最高を更新した。2023年7月単月の輸出額も45億9,292万ドルで、前年同月比15.3%増と、新年度も好調な滑り出しとなった(関連ブラック ジャック トランプ)。

2023年6月末時点で312億300万ドルだった外貨準備高外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)は、7月末時点で297億3,210万ドルと、引き続き減少傾向にある。バングラデシュではL/C決済の抑制措置(関連ブラック ジャック カード)が講じられる中、外貨準備高は直近6月単月の輸入額(47億2,800万ドル、暫定値)から算出すると、約6.3カ月相当の水準となるものの、前月比では減少傾向が続いている(添付資料表2参照)。

(注)政府は、従来の方法による外貨準備高の記録・報告も継続しつつ、並行して、IMFからの融資に向けた国際収支マニュアル第6版〔BPM6をベースとするグロス値の外貨準備高(Gross international reserves:GIR)〕の算出と公表も、7月1日から行っている(地域・分析レポート2023年8月4日参照)。BBはこのGIRの「グロス値」を2337,430万ドル(7月末時点)と発表しているが、IMFが目標設定する「ネット値」の状況は公開していない。

(寺島かほる)

(バングラデシュ)

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