マスク着用義務を撤廃、7月5日から

(マレーシア)

クアラルンプール発

2023年07月03日

マレーシア保健省は6月29日、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)に伴う標準作業手順書(SOP)の見直しを発表した。これにより7月5日以降、マスクの着用義務は全面撤廃される(保健省フェイスブック)。また同日以降、陽性者の症状発現からの隔離期間を、現行の7日間から5日間に短縮する。

保健省は、世界保健機関(WHO)が5月に新型コロナの緊急事態宣言終了を発表したことや、マレーシア国内での感染状況が安定していることを受け、SOP見直しに向けた検討を進めていた。これまで着用義務があった、グラブなどのE-ヘイリング(配車サービス)を含む公共交通機関や医療施設でも、7月5日以降はマスクを着用する必要はなくなる。アレーシアは、2022年4月1日に「エンデミックへの移行」期に入り(エンデミック移行期の新たな新型コロナ感染対策を発表、無料)、その後同年5月1日には屋外でのマスク着用義務を撤廃()、同9月7日からは屋内での着用義務も撤廃していた()が、公共交通機関と医療機関は例外としていた。例えば現状、E-ヘイリングの車内でも運転手は必ずマスクを着用している。

ただし、ザリハ・ムスタファ保健相は、公共交通機関を含め混雑する場所においては、特に高齢者、免疫力が低い人、基礎疾患を持つ人、妊婦などの重症化リスクの高い人には今後もマスク着用を強く推奨するとした。また、検査で陽性反応が出た者や、医療施設職員・訪問者には引き続き医療施設でのマスク着用を求めた。

2023年6月30日に終了するとしていたマレーシアの感染地域宣言は、2023年末まで延長する。各地で州議会選挙が近く行われることや、帰省シーズンも重なること、変異種の発現リスクなどに備え、感染予防策をすぐに発動する体制を維持したい考えだ。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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