上半期の乗用車生産台数は前年同期比21.7%増
(チェコ)
プラハ発
2023年07月24日
チェコ自動車工業会の7月17日の発表によると、2023年上半期の国内乗用車生産台数は前年同期比21.7%増の73万8,454台だった。新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大前の2019年上半期の74万7,007台をやや下回ったものの、2020年以降で最高を記録した(添付資料図参照)。
同工業会のマルチン・ヤーン会長はこれに関して、「自動車産業の事業環境が安定し、(新型コロナ感染拡大による)危機の前の生産量に近づきつつあることは、チェコの自動車産業のみならず、国内経済全体にとって非常にポジティブなニュース」と評した。また、各社の生産量引き上げに伴い、納車までの期間も短縮傾向にある事実は、「チェコ経済の動力としての自動車産業の新たな活力を証明するもの」と述べている。
2023年上半期における実績をメーカー別にみると、最大メーカーのシュコダ・オート〔フォルクスワーゲン(VW)グループ〕の生産台数は46万4,353台で、前年同期比32.3%増と大幅に増大した(添付資料表参照)。輸出も33.2%増と好調だ。また、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・チェコ(TMMCZ)の生産台数は、8.9%増の9万7,001台と堅調な伸びをみせた。国内販売台数も74.5%増と、第1四半期に引き続き(2023年4月21日記事参照)大幅な増加傾向にある。一方、現代チェコの生産台数は17万7,100台で6.2%増加したが、国内販売台数は6.7%減少した。
上半期における電動車の生産台数は、バッテリー式電気自動車(BEV)が6万6,771台(前年同期比61.0%増)とプラグインハイブリッド(PHEV)が2万4,514台(9.1%増)で、計9万1,285台(42.7%増)だった。全生産台数に占める割合は12.4%で、前年同期の10.5%、前期(2023年1~3月)の11.7%から増大した。メーカー別では、シュコダ・オートが5万3,400台(BEV 4万4,442台、PHEV 8,958台)、現代チェコが3万7,885台(BEV 2万2,329台、PHEV 1万5,556台)となっている。なお、TMMCZはハイブリッド車(HV)を生産しているが、自動車工業会ではハイブリッド車の統計は公表していない。
(中川圭子)
(チェコ)
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