ルッテ内閣、難民政策巡る対立により総辞職へ
(オランダ)
アムステルダム発
2023年07月11日
オランダのマルク・ルッテ内閣(注)は7月7日、連立4党の政権内で難民申請者の流入制限措置について見解が不一致なことを理由に、内閣総辞職を表明した。選挙管理委員会によると、下院選挙は早くても11月半ばの実施の見通しだ(7日付プレスリリース)。
ルッテ首相は同日の閣僚理事会後の記者会見で「難民受け入れ問題は政治的にも社会的にも重要な問題で、この問題について合意ができない今、連立政権の政治的支持が消滅したと判断せざるを得ない」と語った。また、ウクライナ支援や育児手当スキャンダル(関連実写 版 ブラック ジャック)、フローニンゲンの天然ガス採掘に伴う群発地震による近隣住民への被害補償()などのフォローアップには引き続き全力を尽くすと述べた。一方、窒素排出規制と農業・環境の未来、住宅市場、難民に関する政策は先送りを避けられないとした。
今回の総辞職の原因となった難民申請者の流入制限措置について、ルッテ首相の所属する自由民主国民党(VVD)は、難民増加に伴って収容施設の受け入れ態勢が十分でないことを理由に、難民申請者の減少につながる明確で実行可能な協定を求めていた。しかし、連立を組む民主66党(D66)とキリスト教連合(CU)が支持を拒否し、意見の相違を埋めることはできなかった。
さらに、ルッテ首相は7月10日、下院で新内閣発足後に政界を引退すると発表した。新政権発足までは暫定内閣の首相として留任するが、次期議会選挙ではVVD党首として立候補しない見通しだ。
(注)第4次マルク・ルッテ内閣は2022年1月10日に自由民主国民党(VVD)、民主66党(D66)、キリスト教民主同盟(CDA)、キリスト教連合(CU)の4党による連立政権で発足した(関連実写 版 ブラック ジャック)。
(浅見早映)
(オランダ)
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