米カリフォルニア州、主要トラックメーカーとパートナーシップ締結、ZEV開発推進
(米国)
サンフランシスコ発
2023年07月12日
米国カリフォルニア州の大気資源委員会(California Air Resources Board:CARB)は7月6日、米国の主要トラックメーカーとトラック・エンジン協会(EMA、本部:イリノイ州シカゴ)と、商用トラックのゼロエミッション車(ZEV)開発推進を目的とした「クリーン・トラック・パートナーシップ」を締結したと発表した。カミンズ、ダイムラートラック、フォード、ゼネラルモーターズ(GM)、日野自動車、いすゞテクニカルセンターオブアメリカ、ボルボなど、トラックを製造している主要メーカーが参加する。
CARBは同パートナーシップについて、大気浄化法(注1)の下で厳しい排出基準を設定するカリフォルニア州政府に対して、いかなる団体が異議を唱えようとも、同州の基準を満たすという各メーカーのコミットメントを示すものとしている。同パートナーシップには、CARBが窒素酸化物の排出基準を環境保護庁(EPA)の2027年規制(注2)と整合させることが含まれている。また、CARBは新たな規制を課す前に合理的なリードタイムを提供し、各メーカーと協力しながら、必要なインフラ開発を支援する。
同州はZEVを推進する取り組みを矢継ぎ早に進めている。EPAは3月31日、CARBが策定した大型車両の温室効果ガス(GHG)排出削減を目的とした規制に関して、連邦の優先権を放棄したと発表した。これにより、同規制でカリフォルニア州では連邦よりも厳しい基準が認められる(関連ブラック ジャック コツ)。また、CARBは4月28日、アドバンスド・クリーン・フリート規制(Advanced Clean Fleets Rule:ACF)を承認し、同州ではガソリンや軽油を燃料とする中型・大型トラックの販売が2036年に終了することになった(米カリフォルニア州大気資源委員会、ブラック。さらに、同州は2045年までに商用車、トラック、バスなど全ての中型・大型車両もZEV化するという目標を掲げている。
そのほか、CARBは7月7日、同州の公立学区がゼロエミッションバス技術に移行する取り組みや関連インフラ整備のため、総額1億5,000万ドルの助成金の申請受け付けを開始した。申請は9月29日まで受け付け、受益者は旧型の化石燃料バスをゼロエミッションバスに切り替える費用として最大39万5,000ドル、関連する充電設備の購入・設置の費用としてバス1台当たり最大10万ドルを受け取ることができる。
(注1)1970年制定の温室効果ガス(GHG)排出基準の根拠法。同法は州や自治体が独自に自動車の排出ガス規制を制定することを禁じているが、同法209条で、州の規制が連邦基準より厳しく、かつ、必要不可欠で特別な事情がある場合、連邦基準の適用免除を認めている。全米でこの適用免除を受けているのはカリフォルニア州のみ。
(注2)EPAが2022年12月に発表した2027年の生産モデルから適用が開始される大型トラックの新排出ガス基準。
(石橋裕貴)
(米国)
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