米環境保護庁、カリフォルニア州によるトラックの排出削減規制を許可
(米国)
サンフランシスコ発
2023年04月06日
米国環境保護庁(EPA)は3月31日、カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)が策定した大型車両の温室効果ガス(GHG)の排出削減を目的とした規制に関して、連邦の優先権を放棄したと発表した。カリフォルニア州は大気浄化法により、新車の排出基準の設定にかかる連邦の優先権の放棄を求めることができ、EPAはこれを許可したかたちとなる(注1)。
カリフォルニア州が連邦の優先権の放棄を求めていた規制の1つに、2020年6月に策定されたトラックに関する排出規制(Advanced Clean Trucks Regulation:ACT規制)がある(米カリフォルニア州大気資源委員会、ブラック)。同州は本規制を通じて、2035年までに新車トラックの販売台数のうち、ZEV(ゼロエミッション車)の割合をクラス2b-3(注2)で55%、クラス4-8(注3)で75%、セミトラクターで40%とすることで、ZEVの販売台数拡大を推進しようとしている。同州は2020年9月の知事令で、実行可能な場合、2045年までに中・大型車両を100%ZEVにすることを義務付ける方針を示していた。CARBのACT規制は知事令のとおり、大型車両のZEV化を加速するためのアプローチの一部となっている。
ギャビン・ニューサム知事(民主党)は知事室が公表したリリースの中で、「これは気候変動対策にとって大きな取引だ。カリフォルニア州は昨年、自動車から排ガスの排出を終わらせるための現実的な計画を世界で初めて策定した。われわれはバイデン政権のおかげで、道路にゼロエミッションの大型車両を増やし、大気汚染をなくし、公衆衛生を守るための取り組みを拡大させている。われわれは、最も汚染された車両を道路から追い出すための責任を主導している」などとコメントした。
同州におけるZEV化に向けた取り組みとして、CARBは2022年8月、州内で販売する全ての新車乗用車(小型トラックを含む)を2035年までにZEVにする目標の達成に向けた規制を承認した(関連ブラック ジャック 遊び方)。また2022年4月には、2026年以降の具体的なZEV規制案が発表されている(関連ブラック ジャック ランキング)。
(注1)1970年制定のGHG排出基準の根拠法。州や自治体が独自に自動車の排出ガス規制を制定することを禁じているが、同法209条において、州の規制が連邦基準より厳しく、かつ、必要不可欠で特別な事情がある場合、連邦基準の適用免除を認めている。全米でこの適用免除を受けているのはカリフォルニア州のみ。
(注2)車両総重量:8,500~1万4,000ポンド。
(注3)車両総重量:1万4,001ポンド以上。
(石橋裕貴)
(米国)
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