ロシアの旧日産工場で地場最大手が自動車生産を再開
(ロシア)
欧州課
2023年06月20日
ロシアの乗用車最大手アフトワズは6月17日、サンクトペテルブルクにある日産自動車の旧工場を再稼働させた。自社ブランド「ラーダ」の新モデルとして、クロスオーバータイプの「X-cross 5」を生産する。同社のマキシム・ソコロフ社長によれば、旧日産工場での自社ブランドのSKD(注1)組み立てにかかる初期の投資額は最大5億ルーブル(約8億5,000万円、1ルーブル=約1.7円)にのぼる。2025年にはCKD(注2)生産への移行を目指すという(「オートニュース」6月17日)。
アフトワズ側は今回のプロジェクトの提携先について、「(提携先が)二次制裁を受ける恐れがある」ことを理由に(「オートニュース」6月17日)、社名を明らかにしていない。公式的には「東方の新たなパートナー」とされるが、地元紙「フォンタンカ」をはじめ複数紙が、中国の第一汽車(FAW)を名指しし、「X-cross 5」を同社のクロスオーバー、Bestune T77のコピー品だと報じている。
日産は、ロシアがウクライナに侵攻した2022年の3月に生産を停止し、10月11日にロシア市場からの撤退と、政府系自動車研究所への事業の譲渡を発表していた(日産自動車、ブラック ジャック)。同社が撤退した後の工場の利用については、かねて地元の関心が高かった。2023年6月14~17日のサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(関連ブラック ジャック やり方)の注目イベントの1つとして、会期中に工場が再稼働すると事前に大きく報じられていた。
(注1)セミノックダウンの略。完成部品をセットで輸出し、現地で組み立てを行う方式。
(注2)コンプリートノックダウンの略。未完成品の部品を輸出し、現地で組み立てや溶接、塗装、艤装(ぎそう)、仕上げなどを行い、自動車として完成車にする方式。
【欧州課】
(ロシア)
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