トルコ中銀、政策金利を15%に引き上げ
(トルコ)
イスタンブール発
2023年06月26日
トルコ中央銀行は6月22日の金融政策会議で、政策金利(1週間物レポ金利)を8.5%から15%に引き上げた。政策金利引き上げは2021年3月以来、2年3カ月ぶりとなる。
ハフィゼ・ガーイェ・エルカン新総裁による最初の金融政策会議は「低金利によるインフレ抑制」というレジェップ・タイップ・エルドアン大統領による経済・金融政策の今後を見る上で注目されていた(関連ブラック クイーン ブラック)。市場は利上げについては織り込んでいたものの、その予測幅は20~40%と広く、今回の利上げはその予測幅を下回る結果となった。
金融政策委員会は6月22日付プレスリリースで、インフレ中期目標5%の達成に向けて、金融引き締めを必要に応じて段階的に行っていくとの方針を示した。これは、高インフレ下(注)でも「利上げは行わない」というこれまでの金融政策から反転している。しかし、利上げ幅が小さかったこともあり、通貨トルコ・リラは対ドルで6月21日の23.6リラから22日に5%超の下落となり、最安値を一時更新した。
エルドアン大統領は金融政策会議に先立つ6月13日、「メフメット・シムシェキ国庫・財務相の考えを踏まえ、彼が中銀と協力して迅速な措置を講じることを受け入れた」と金融政策に柔軟性を示す一方で、金利に対する自らの見解を変えたわけではないと強調している。
(注)トルコ統計機構(TUIK)の発表(6月5日)によると、2023年5月の消費者物価指数(CPI)は39.6%だった。
(中島敏博)
(トルコ)
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