4月の新車販売、前年同月比7割増も遠い回復
(ロシア)
欧州課
2023年05月17日
在ロシア欧州ビジネス協会(AEB)の発表(5月5日)によると、4月の乗用車と小型商用車(LCV)の新車販売台数は5万4,270台だった。前年同月の3万1,806台と比べ70.6%増と大幅な伸びを見せた。この理由は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて国内の新車販売が急減(2022年5月18日記事参照)した前年の時期との比較ということが大きい。2年前の4月(15万1,964台、AEB調べ)と比べれば、販売台数は4割程度にとどまっている。
自動車分野の専門家ウラジーミル・ベスパロフ氏は今回の結果について、「単なる数学的な効果」と評価した。「市場での車不足と価格高騰により、今の多くの消費者は車購入に魅力を感じておらず、これが市場の成長を阻んでいる」として、好結果が本来の市場の回復を意味するものではないと指摘している(「ベドモスチ」紙5月5日)。
ブランド別販売台数を見てみると、トップテンのうち、7位の韓国・起亜を除いて、ロシア地場と中国勢が上位を独占した(添付資料表参照)。伸び率だと、中国車がロシアのブランドを圧倒している。専門家の中では、2023年中に新車販売全体に占める中国車のシェアが6割を超えるとの見方もある(「イズベスチヤ」紙3月20日)。
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