半導体戦略を発表、産業支援、供給網リスク緩和、国家安保に向け10億ポンド投資

(英国)

ロンドン発

2023年05月25日

英国政府は5月19日、「国家半導体戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した(英国政府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。半導体関連のインフラへのアクセス向上、研究・開発の推進、国際協力の発展・促進に向けて、今後10年間で最大10億ポンド(約1,720億円、1ポンド=約172円)を投じる。今後20年間で半導体技術で主導的立場を確立するため、英国が優位性を有する設計や、知的財産権、化合物半導体、大学を中心とした研究・開発に力点を置き、次の3点を主な目標とするとした(具体的な政府の取り組みについては添付資料表参照)。

  • 国内産業の成長
  • サプライチェーンの混乱リスクの緩和
  • 国家安全保障

各目標に関する主な取り組みは次のとおり。

〇国内産業の成長:2023年から2025年にかけての最大2億ポンドを含めた今後10年間の10億ポンドの投資を通じ、人材供給の改善やプロトタイプ制作、ソフトウエアなどのツール、ビジネス支援に対する企業のアクセス向上などを図る。具体的には、新たな国家半導体インフライニシアチブを実施し、半導体チップメーカーのプロトタイプ制作設備へのアクセスを強化するほか、スタートアップへの専門ソフトウエア提供の可能性についても検討する。さらに、政府、産業界、研究機関関係者からなる半導体諮問委員会の新設、インキュベーターの試験的スキームの実施、産業主導の研修に対する支援を通じた人材育成なども盛り込んだ。

〇サプライチェーンの混乱リスクの緩和:企業向けのガイダンスを発表し、リスクやレジリエンス強化に向けた方策の理解を促進する。また、国際的なサプライチェーンの強靭性(きょうじんせい)強化に向け、既存の米国、日本(関連ブラック ジャック ルール)、韓国とのパートナーシップに次ぐ、さらなる国際連携に向けた取り組みを継続する。

〇国家安全保障:国家安全保障・投資法()の運用に関する追加ブラック ジャック ブラック クイーンを産業界に提供、半導体産業に関して特に懸念される分野を示す。サイバー脅威に対し、半導体をより強靭で安全なものにすることを目的としたプログラムを引き続き支援する。

(山田恭之)

(英国)

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