無料 ゲーム ブラック ジャック、EV関連が受注増を牽引
(ドイツ)
ミュンヘン発
2023年05月11日
ドイツの自動車部品メーカーが2022年の業績を相次いで発表している。電気自動車(EV)の需要拡大を受けて、受注額を伸ばしている企業が多い。他方、事業の取捨選択を進める動きも見られる。
自動車ルーフシステムなどを手掛けるべバストは4月25日、2022年の業績を発表した。売上高は前年比18.9%増の44億ユーロ、うちEV関連は88.4%増の2億9,200万ユーロだった。EV関連の内訳は、蓄電池システムが1億700万ユーロ、電気暖房システムが9,300万ユーロ、充電ソリューションが9,200万ユーロ。
EV関連の売り上げは前年から2倍近くになるまで急増しているものの、売上高全体に占める割合は、同社の主力の自動車ルーフシステムが81.8%で圧倒的に高く、EV関連は6.6%にとどまる。他方、受注高で見ると、2022年の受注高72億ユーロのうち、EV関連が39%を占めた。また、2022年末の受注高残293億ユーロのうち、EV関連は21%だった(2021年末は15%)。
べバストは、EV関連売上高の約3割を占める充電ソリューションについて協業先を探している。「ハンデルスブラット」紙(4月26日)によると、ホルガー・エンゲルマン社長は、最終消費者向けビジネスの充電器関連ではべバストの強みを生かせず、将来的には充電ソリューション事業は譲渡の予定とコメントした。べバストは1901年設立で、ミュンヘン近郊に本社を有する。従業員は約1万6,800人で、世界50カ所以上に拠点がある。日本には東広島市、横浜市に拠点がある。
自動車部品大手のマーレは4月25日、2022年の業績を発表した。売上高は前年比13.7%増の124億3,400万ユーロだった。うちEVにとって特に重要な熱マネジメントシステム関連は15.9%増の44億7,700万ユーロ、電子・メカトロニクス関連は13.4%増の13億5,300万ユーロだった。また、2022年の受注高は約110億ユーロで、うち約半分が内燃機関搭載車向け関連以外の受注だった。
マーレは自社戦略として、同社が強みを持つ電動化と熱マネジメントシステムに注力すると同時に、温室効果ガス排出を抑えた内燃機関搭載車への需要もあるとして、水素や合成燃料を活用した「グリーンな内燃機関搭載車」にも取り組むとしている。同社は今回、世界の乗用車生産に占めるバッテリー式電気自動車(BEV)、ハイブリッド車の割合が現在の13%から2035年に7割まで高まるとの予測を示した。ただ、地域的な差は大きく、欧州では95%、中国では90%、北米では75%まで高まる一方、その他地域は2035年後も内燃機関搭載車の割合が最大6割を占めるとしている。マーレは1920年設立で、本社はドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州シュツットガルト。従業員は7万1,947人(2022年末)で、世界30カ国に拠点を有する。日本にも東京など17拠点がある。
他の自動車部品メーカーも2022年の業績を発表、EVの需要拡大を受けて売上高、受注高を拡大している企業が多い(関連ブラック ジャック、4月3日記事参照)。
(高塚一)
(ドイツ)
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