地方選で中道右派優勢、メローニ首相「改革を推進」
(イタリア)
ミラノ発
2023年05月18日
イタリアでは、5月14~15日に地方選挙(市長および市議会議員)が行われた。アンコーナ、ブレシア、ピサ、シエナ、ビチェンツァなど13主要都市を含む595自治体が対象となった。2022年6月に行われた地方選挙では、中道右派が勝利し(関連ブラック ジャック カード)、その後の政権崩壊、中道右派政権誕生のきっかけをつくった。そのため今回の地方選挙は、中堅都市での実施が中心となるものの、政権の今後を占う上でも注目が集まっている。
2023年5月16日の開票の結果、13主要都市のうち6都市は、初回投票で市長が選出された。トレビーゾ、インペリア、ソンドリオ、ラティーナの4都市で中道右派が勝利し、ブレシア、テラーモの2都市で中道左派が勝利した。アンコーナ、ビチェンツァなど残りの7都市では過半数が得られず、最終結果は2週間後の5月28~29日の決選投票に持ち越された。票数が僅差のシエナ以外は、中道右派が有利となっている。ジョルジャ・メローニ首相は「中道右派はその強さを確認した。今こそ改革を進める時だ」とコメントし、政権への追い風を確信した(「「ラ・レプブリカ」紙5月16日)。
中道左派は、ブレシアでラウラ・カステレッティ氏が同市初の女性市長となるなど健闘した。右派優勢はゆるぎないものの、主要都市での中道左派の健闘には、新しく民主党(PD)党首(書記長)となったエリー・シュライン氏の存在も見逃せない。同氏は、2023年2月に行われた同党の代表選挙で53.8%の得票率を獲得し書記長に就任。PD初の女性書記長および38歳の最年少で、中道左派巻き返しの象徴となった。今回の選挙結果を政党別にみると、13主要都市のうちトレビーゾとラティーナ以外は、PDが第1党となったこともあり、シュライン氏は決選投票に向けて「新たな希望が生まれている。挑戦はまだ続いており、勝てる状況にもある」と、強気な姿勢を見せている(「「ラ・レプブリカ」紙5月16日)。
投票率は、開票前の5月14日午後11時時点で46.4%とされたが、翌日の確定値では59.0%となり、2022年6月の地方選挙の確定値と比較して2.2ポイント低下した。イタリアでは、2022年9月の総選挙の投票率が63.9%となり、選挙史上で過去最低となったが、地方選挙においても投票率低下の傾向は変わらないようだ。
(平川容子)
(イタリア)
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