地方選で右派連合が健闘
(イタリア)
ミラノ発
2022年06月17日
イタリアでは、6月11~12日に地方選挙が行われた。パレルモ、ジェノバ、カタンザーロ、パルマ、ラクイラ、ベローナなど26主要都市を含む971自治体が対象となった。
13日の開票結果、26主要都市のうち13都市で初回投票で市長が選出された。残りの13都市では過半数が得られず、2週間後の26日に決選投票に持ち越される。投票率は54.72%と、前回の選挙の60.1%を下回った。
ジェノバでは現職の中道右派マルコ・ブッチ氏が再選。中道右派はほかにもパレルモ、ラクイラなど計9都市で勝利した。中道左派はローディー、パドバなど3都市で勝利した。
政党でみると、フォルツァ・イタリア(FI)、イタリアの同胞(FDI)、同盟の右派連合が強さを見せた一方、ベローナのように統一候補を擁立できなかった地域では初回投票で選出に至らなかった。左派は民主党とポピュリズム左派の五つ星運動との連合がローディーなどで勝利したものの、五つ星運動は党創立者の出身地でもあるジェノバでは不振に終わり、パルマでは候補者も立たなかった。
13日付の「イルソーレ24オーレ」紙によると、12日の出口調査では、民主党が17.2%と最も得票を集めており、FDIが10.3%、同盟が6.7%、FIが4.6%、五つ星運動は2.1%となった。五つ星運動ジュゼッペ・コンテ党首は「結果に満足していない。都合の良い言い訳もできない」と述べつつ、同党が地方選において特に弱いことについても言及した。
決選投票では、べローナやパルマなど7都市で中道左派有利とされており、残る6都市で中道右派が有利とみられている。
また同日、裁判に関する5つの項目に関する国民投票が行われた。デモポリスの事前調査によると、56%が国民投票に関心がないとしており、投票率は20.8%と戦後最も低い数字となった。
対象となったのは、2年以上の刑罰の受刑者は選挙に立候補できないというセベリーノ法や、逃亡・証拠隠滅の危険がある場合に、裁判官が公判前でも拘禁を言い渡すことができる制度などの可否を問うもの。投票では全5項目で廃止を求める声が上回ったが、全体の投票率が過半数に満たなかったため、現状維持となった。
(平川容子)
(イタリア)
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