バイデン米大統領、マッカーシー下院議長と債務上限問題で基本合意、6月5日までの法案成立が焦点に

(米国)

ニューヨーク発

2023年05月29日

米国のジョー・バイデン大統領は5月27日、連邦議会下院のケビン・マッカーシー議長(共和党、カリフォルニア州)と、債務上限を引き上げる一方、歳出を削減するなどの予算案で基本合意に至ったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

現時点で合意内容の詳細は明らかにされていないが、複数の米国メディアの報道によると、今後2年間の行政需要に対応するため、現行31兆4,000億ドルの債務上限額を引き上げるという。他方、それと同時に10年間で約5兆ドルの歳出削減を求める共和党に応じるかたちで(米下院、オンライン カジノ ブラック)、2024会計年度(2023年10月~2024年9月)の国防費以外の支出をほぼ現在の水準に据え置くほか、2025年度は前年比1%増に抑える(NPR5月28日)。具体的な削減項目として、低所得者向けの食料支援(フードスタンプ)プログラムの最低受給年齢の引き上げや、インフレ削減法で手当てされた内国歳入庁の予算()減額などが盛り込まれたもようだ。また、エネルギープロジェクトの審査許可の合理化(関連ブラック ジャック 必勝 法)も盛り込まれたとされる(ブルームバーグ5月28日)。

バイデン大統領は協議翌日の5月28日に記者会見を行い、予算案は両院に既に提出されていると説明した。なお、マッカーシー議長が下院議長に選出される際、下院に法案が提出されてから実際に審議されるまでに最低72時間空けることが約束されている(政治紙「ロール・コール」電子版1月2日)。このため、マッカーシー議長によると、下院での同法案の採決は5月31日に行われる見込みだという(CNBC5月27日)。財務省のジャネット・イエレン長官は債務不履行に陥る「Xデー」について、最短で6月1日だと述べていたが、5月26日に送付した議会宛ての書簡外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで「最新データに基づけば、資金は6月5日までに不足すると見込んでいる」と明らかにしており、Xデーまで約1週間残されていることになる。

一方、上下両院には合意内容に否定的な勢力が一定程度存在しているとみられる。マッカーシー議長は予算案について、下院(共和党222議席、民主党213議席)では賛成票が過半数を占めるだろうとの認識を示しているが、同党保守派の反対が予想されるため、民主党議員の協力も必要となる。両党の勢力が拮抗(きっこう)する上院〔民主党51議席(注)、共和党49議席〕でも、バーニー・サンダース議員(無所属、バーモント州)がバイデン大統領宛てに共和党との交渉打ち切りを求める書簡を送付し(関連ブラック ジャック アプリ)、マイク・リー議員(共和党、ユタ州)が法案阻止のためにあらゆる手段を講じると述べるなど、両党議員の協力が必要と見込まれる情勢だ(政治専門紙「ポリティコ」5月27日)。

債務上限引き上げに関する法案がXデーまでに上下両院で可決され、大統領の署名を経て成立するのか、最後まで気が抜けない状況が続く。

(注)無所属だが、事実上、民主党と会派を組む3人の議席数を含む。

(宮野慶太)

(米国)

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