タジキスタン、周辺諸国との物流円滑化を推進
(タジキスタン、トルクメニスタン、パキスタン、アフガニスタン)
タシケント発
2023年05月19日
タジキスタン下院が5月5日、パキスタンとの通過貿易協定の批准を承認し、協定は即日発効した。ジェトロが下院法務局に電話でインタビューしたところ判明した(5月18日)。タジキスタン運輸省は、同協定によってタジキスタンからアフガニスタンを経由し、パキスタンのカラチ港、グワダル港へのトラック輸送の利便性が高まることを期待している。
同協定は2022年12月14~15日にタジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領がパキスタンを公式訪問の際に署名された。タジキスタン政府の発表によると、パキスタン側がタジキスタンに対し、中東市場などへの最短かつ最も費用対効果の高いルートに当たるグワダル港の利用を呼びかけた。既存のイラン港湾経由の代替ルートとして、今後開発される可能性がある。
同じく、タジキスタンの隣国トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領は5月10~11日にタジキスタンを公式訪問し、カスピ海に面するトルクメンバシ港の利用と同港経由の輸送ルート促進を提案。両国運輸当局による貨物輸送量増加と複合輸送活性化に向けた2023~2025年の共同プログラムに合意した。
両国間では2018~2019年に、トルクメニスタン国境でタジキスタンナンバーのトラックが足止めされ、物流が滞留した事例が散見された。直近の世界情勢を受けて、中央アジア諸国間で物流分野での協力を目指す事例が目立っている(2022年9月27日記事、2023年5月12日記事参照)。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(タジキスタン、トルクメニスタン、パキスタン、アフガニスタン)
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