機械関連企業のサプライチェーン逼迫度合いが大幅に改善

(ドイツ)

ミュンヘン発

2023年04月03日

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は3月30日、部材のサプライチェーン逼迫、景況感などの機械関連企業への影響に関する緊急アンケート結果を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。調査は3月21~24日に実施し、国内の機械関連企業639社が参加した。

サプライチェーンの状況については、前回(ドイツ機械工業連盟、2023年の生産高はトランプ)、前々回()と比べて大幅に改善した。具体的には、回答企業(631社)の57%が、サプライチェーンが「大いに逼迫」または「中程度の逼迫」と回答、前回(74%)、前々回(81%)から大幅に減少した。ただし、「電子・電気部品」のサプライチェーンが「大いに逼迫」または「中程度の逼迫」と回答した企業(回答企業621社)の割合は75%で、引き続き高い水準にある。他方、同割合は「鉄鋼・鉄鋼製品」(回答企業632社)では21%、「プラスチック・ゴム」(610社)で16%、「化学製品」(601社)では7%と、全体的な傾向としてサプライチェーン逼迫が解消されつつある。

2023年通年の景況感について、回答企業636社のうち11%が「楽観的」、40%が「やや楽観的」と回答した。「悲観的」と回答した企業は3%、「やや悲観的」は12%だった。前回2022年12月の調査と比較すると、「やや楽観的」が3ポイント増、「どちらともいえない」が4ポイント減だった以外は、大きな変化はなかった。

また、設備稼働率の上昇や良好な景況感を受けて、機械関連企業の6割が2023年中の増員を検討しているという。その際、熟練労働者(専門人材)の獲得の難しさが課題になっている。具体的には、回答企業(633社)の75%が熟練労働者獲得について「大いに困難」または「中程度の困難」と回答した。今後3カ月の見通しでは、回答企業(636社)の38%が熟練労働者獲得の困難さが「加速する」と回答した。VDMAは、熟練労働者不足が近い将来に解消するとみる担当者はほとんどおらず、熟練労働者不足・少子高齢化という人口構造の課題は今後、機械関連企業が直面する主要課題のうち、最大の課題に位置付けられたとしている。

(高塚一)

(ドイツ)

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