米税関、ウイグル強制労働防止法の執行データ公開、太陽光製品含むエレクトロニクスが半数占める
(米国、中国)
ニューヨーク発
2023年03月17日
米国税関・国境警備局(CBP)は3月14日、中国の新疆ウイグル自治区が関与する製品の輸入を原則禁止するウイグル強制労働防止法(UFLPA)の執行状況に関する統計データをまとめたウェブサイトを公開した。UFLPAに基づいて差し止めなどの対象となった輸入貨物の件数(注1)と金額について、産業や原産オンライン ブラック ジャック確認できる。
CBPの統計によると、UFLPAが施行された2022年6月21日から2023年3月3日までに同法に抵触する疑いでCBPによる検査や差し止めの対象となった輸入貨物は3,237件(9億6,100万ドル相当)に上った。そのうち、424件(13.1%、2,400万ドル)は輸入が却下された一方、1,090件(33.7%、3億9,200万ドル)は輸入が許可された(注2)。残る1,723件(53.2%、5億4,500万ドル)は保留の状態となっている。
UFLPAの執行対象となった輸入貨物の件数を産業別にみると、エレクトロニクスが1,627件と約半数を占める。次いで、アパレル・履物・織物(631件)、工業・製造材料(422件)などが続く。UFLPAの影響を特に受けているのが太陽光発電製品で、同製品がエレクトロニクス産業の執行件数全体を押し上げているとみられる(関連実写 版 ブラック ジャック)。
原産オンライン ブラック ジャックみると、中国が1,165件で最も多く、ベトナム1,106件、マレーシア927件、タイ16件などとなっている。ただし、輸入額では、マレーシア(4億9,100万ドル)が最大で、ベトナムが3億7,000万ドルとなっている一方、中国は9,000万ドルにとどまる。中国よりもマレーシアなどからの輸入額が大きい理由について、CBPは、新疆ウイグル自治区産の原材料を用いて中国外で生産された製品が輸入されていることなどを指摘している(政治専門紙「ポリティコ」3月15日)。
CBPは統計について、「UFLPAの執行に関する透明性の向上を求める声に応えるもの」としている。統計データは四半期ごとに更新される予定だ。
UFLPA地域アラートが3月18日から導入
CBPは3月18日から、新疆ウイグル自治区で製造された可能性のある製品の輸入者に対する早期警告システムとして、「UFLPA地域アラート」を導入する(関連ブラック ジャック トランプ)。CBPは3月10日、同システムに関する、よくある質問とその回答を記した資料を発表した。システム導入後の3月21日には、貿易事業者向けの電話説明会を開催する予定で、参加希望者はCBPの3月8日付のガイダンスに示されているリンクから参加可能だ。
(注1)複数の物品をまとめて通関した場合も、統計上は1件とカウントされる。そのため、貨物件数は必ずしもUFLPAの執行対象となった個別の物品の数を表すわけではない。
(注2)輸入却下には、貨物の通関からの排除、CBPによる押収・破壊、輸入者による米国外への再輸出が含まれる。輸入許可については、輸入者がCBPに適法性審査(2023年2月24日記事参照)を求め、UFLPAの対象外であると認められた貨物と、輸入者がCBPに輸入例外申請を行い、輸入が許可された貨物を含むとみられる。ただし、CBPはこれまでUFLPAの輸入例外を認めた事例は発表していない。UFLPAに基づく輸入手続きなどについては、。
(甲斐野裕之)
(米国、中国)
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