米税関、3月18日以降の対中輸入通関に製造者の郵便番号記入を義務化、ウイグル強制労働防止法関連で
(米国、中国)
ニューヨーク発
2022年12月22日
米国税関・国境警備局(CBP)は12月21日、ウイグル強制労働防止法(UFLPA)の執行強化に向けて、2023年3月18日以降、中国内で製造された製品の輸入通関時に製造者の郵便番号を電子申請システム(ACE)に入力することを義務付ける予定と公表した。
米国では2022年6月、新疆ウイグル自治区が関与する製品の輸入を原則禁止とするUFLPAが施行された()。今回のルールは、新疆ウイグル自治区で製造された可能性のある製品の輸入者に対する早期警告システムとして、「UFLPA地域アラート」の名称で11月に詳細を公表していたが、導入日は未定だった(オンライン カジノ ブラック)。ただし、CBPは12月21日付の貨物システム通達サービス(CSMS)を通じ、導入日を「変更する可能性あり」ともしている。当初は12月15日に導入する予定だったが、延期した経緯がある。
UFLPA地域アラートの仕組みについて、ACE上で輸入物品の製造者の所在国を「中国(CN)」と選択した場合、当該製造者の所在地の郵便番号の入力が必要になる。入力した郵便番号が有効でない場合はエラーメッセージが表示され、新疆ウイグル自治区の郵便番号の場合は警告メッセージが表示されることになっている。CBPが11月2日に公表したガイダンスによると、警告メッセージを受けた場合、当該輸入製品は「新疆ウイグル自治区で製造された」という反証可能な推定が成立する。輸入者が反証できない限り、当該製品の輸入は禁止される。反証に臨む場合は、CBPが公表する輸入者向けガイダンスにのっとり、輸入例外の申請を行うことになる。CBP長官が輸入例外を認めた場合は、30日以内に報告書を公開することになっているが、6月の法施行以来、公開された事例はない。
UFLPAの執行に関し、マイク・ギャラガー下院議員(共和、ウィスコンシン州)をはじめとする対中強硬の共和党議員は懸念を表明している。同議員らは12月5日、太陽光発電製品に関し、中国が世界シェアの大部分を占めている中、インフレ削減法を通じて米国内の太陽光発電に補助金や税額控除を提供すれば、米国民の税金が中国での人権侵害に投じられる可能性を生むとして、CBPに効果的なUFLPAの執行などを問う書簡を送付している。米国のホワイト&ケース法律事務所は、UFLPA地域アラートがこうした懸念に対応する1つのツールになり得るとの見方を示している。
(磯部真一)
(米国、中国)
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