米アップル、ミュンヘン拠点に10億ユーロを追加投資し半導体開発を強化

(ドイツ、米国)

ミュンヘン発

2023年03月06日

米国のアップルは3月2日、ドイツ南部バイエルン州ミュンヘンの拠点に、今後6年間で10億ユーロを追加投資すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同拠点の半導体デザインセンターを拡充する。アップルは2021年3月、ミュンヘン拠点の拡張と研究開発に10億ユーロ以上を支出すると発表していた()。今回の投資はさらに10億ユーロを追加投資するものだ。

2021年3月の発表後、2022年秋に半導体デザインセンターが設立された。場所はミュンヘン中央駅から歩いて約10分の市中心部。今回の追加投資を通じ、半導体デザイン拠点に隣接した区画にさらに3カ所の建屋を整備する。徒歩圏内には、欧州有数の工科大学のミュンヘン工科大学もある。アップルのミュンヘン拠点では、(1)同社の新製品に使われる半導体の設計、(2)移動通信技術やパワーマネジメント(電源管理)IC分野の研究開発を行ってきた。具体的には、新マックブックプロ(MacBook Pro)用の次世代半導体の開発などだ。

ティム・クック最高経営責任者(CEO)は今回の発表に際して、「われわれのミュンヘンのエンジニアは世界最高峰で、アップル製品の核心部分の新技術開発に寄与している」とコメントした。アップルは1981年にミュンヘンに拠点を開設、現在、ドイツ全体の雇用は4,500人以上に上る。うち1,600人以上は過去3年で新たに採用するなど、活動を急速に拡大。バイエルン州内では2,000人以上の技術者が働いているという。

今回の発表について、バイエルン州のマルクス・ゼーダー州首相は同じ3月2日、自身のツイッターで「われわれのハイテク振興への積極姿勢が国際的な企業を納得させた」とコメントした。同州は2019年に発表した「ハイテク・アジェンダ」(関連ブラック クイーン ブラック)で、同州が他国に負けない技術基盤を整備すべく、人工知能(AI)、量子コンピュータなどの次世代技術を振興している。また、フーベルト・アイバンガー州経済・開発・エネルギー相はアップルの今回の決定を歓迎するとともに、「われわれの強みは産業集積と先端研究のコンビネーションだ」と強調した。

(高塚一)

(ドイツ、米国)

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