バイエルン州、「新型コロナ禍」を受けハイテク戦略を拡充

(ドイツ)

ミュンヘン発

2020年09月24日

ドイツのバイエルン州政府は9月14日、ブラック クイーン ブラック ジャック・プラス」を閣議決定した。2019年10月に州政府が発表したブラック クイーン ブラック ジャック」プログラムの実行を前倒しするとともに、当初2023年までに20億ユーロとしていた予算に約9億ユーロを追加する。新型コロナウイルスの影響を受けて、自動車・同部品分野を中心に州内企業の経営が悪化しており、州政府は今回のプログラム強化を、州政府による景気対策の1つに位置付ける。

ブラック クイーン ブラック ジャック」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、バイエルン州が他国に負けない技術基盤を整備すべく、人工知能(AI)の分野に特に注力し、教授・教員を新たに約1,000人雇用するほか、州内大学のAI関連講義、ブラック クイーン ブラック ジャック学専攻の学生の増加を図る。また、量子コンピュータ、航空宇宙、合成燃料、蓄電池、水素など、次世代技術の振興も目指している。基礎インフラとして、大学・研究機関の整備やデジタルインフラの拡充も進めるほか、企業のデジタル化やスタートアップ企業の支援拡充もうたっている。

今回のブラック クイーン ブラック ジャック・プラス」では、ブラック クイーン ブラック ジャック」に追加して、新たに約9億ユーロを2021年から2022年にかけて投資する。具体的には、(1)教授・教員の採用前倒しおよび拡充、(2)大学・研究機関の整備拡充、(3)AI・量子コンピュータ・航空宇宙・水素関連の研究施設やプロジェクトの拡充、(4)スタートアップ企業への投資スキームの強化など。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、感染症研究の強化も含まれた。

今回の拡充の背景には、バイエルン州内の企業や工場が新型コロナウイルスの影響を大きく受けていることがある。例えば、バイエルン州内に本社を置く自動車部品のシェフラーは9月9日、「新型コロナ禍」による需要減を受け、従業員を2022年末までに4,400人削減すると発表した。バイエルン州経済・開発・エネルギー省によると、削減対象の大部分はバイエルン州内だという。また、ドイツ北部ニーダーザクセン州に本社を置く自動車部品のコンチネンタルも9月1日、国内1万3,000人の従業員削減を発表、バイエルン州内の複数の生産拠点が影響を受ける。航空分野でも、バイエルン州の州都ミュンヘンに本社を置くMTUエアロ・エンジンズが7月6日、2021年末までに国内外の従業員を10~15%削減すると発表している。

他方、バイエルン州に本社があるスタートアップ企業、イザールエアロスペース・テクノロジーズが小型宇宙ロケット(マイクロランチャー)の製造を始めるなど(関連ブラック ジャック 勝率)、次世代技術で新たな動きもみられている。

(高塚一)

(ドイツ)

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