ドイツ自動車メーカー大手3社、電動車の販売実績や目標などを示す
(ドイツ、世界)
ミュンヘン発
2023年03月23日
BMWグループ、フォルクスワーゲン(VW)グループ、メルセデス・ベンツグループのドイツ自動車大手3社の2022年業績が出そろい、各社の全世界でのバッテリー式電気自動車(BEV)の販売実績や目標などが明らかになった。
BMWグループは3月15日、2022年業績などを発表し、2022年のBEV販売台数は前年比2.1倍の21万5,752台だった。全販売台数(239万9,632台)に占めるシェアは9.0%。BMWは2023年にこのシェアを15%まで伸ばす。中期的にはBEVのシェアを、2024年に20%、2025年に25%、2026年に33%にすることを目指す。同グループは、原材料価格の安定性や充電インフラが整うなどの諸条件がそろえば、2030年よりかなり前に、BEVのシェアを5割以上にすることができるとしている。
他方、BMWグループは、世界中の全ての市場でBEVに乗り換えるための各種条件が整うわけではないとし、効率の高い内燃機関搭載車を引き続き提供する姿勢を明らかにしている。また、2020年代後半からは燃料電池車の需要も増えるとしている。実際に、BMWは2022年12月に、燃料電池車の少量生産をミュンヘンで開始している(2022年12月8日記事参照)。
2023年の新車販売台数見通しについては、物価に大きな変動がなければ、2022年実績をやや超えるとの予測だ。
VWグループは3月14日、2022年業績などを発表し、2022年のBEV販売台数は前年比26.3%増の57万2,100台だった。全販売台数(826万2,800台)に占めるシェアは6.9%。同グループはこのシェアを2023年に約10%、2025年に約20%、2030年に約50%まで高める目標を掲げる。
VWグループは2023~2027年の5年間の投資額は合計1,800億ユーロに上り、そのうち68%を電動化とデジタル化へ投資するとした。前回の2022~2026年計画(2021年12月16日記事参照)では、同比率は56%だった。他方、自動車エンジンの最終世代への投資は2025年をピークとし、その後は継続的に減らしていく。
2023年の新車販売見通しについてVWグループは、(1)受注残が多く残ること、(2)半導体調達やサプライチェーンの課題に改善が見込めることなどから、前年比約14%増の約950万台と予測している。
メルセデス・ベンツグループは2月17日、2022年業績などを発表、2022年のBEV販売台数は前年比66.7%増の14万9,200台だった。全販売台数(204万700台)に占めるシェアは7.3%。同社は2023年にBEVの販売台数が前年比で倍増すると予測している。同グル-プは、市場条件が許す地域で2030年までに完全BEV化を目指している(2022年8月23日記事参照)。
(高塚一)
(ドイツ、世界)
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