2026年までに使い捨てプラスチック製品を段階的に禁止へ
(アラブ首長国連邦)
ドバイ発
2023年02月10日
アラブ首長国連邦(UAE)は、2026年までに使い捨てプラスチック製品の国内での使用や流通を段階的に禁止し、環境負荷を低減するための政策を推進する。2023年1月10日付で地元各紙が報道した。
発表によると、2024年1月1日から使い捨てプラスチック製レジ袋の使用が禁止となる。併せて輸入、製造、流通も原則禁止される。規制の対象外となるのは、輸出または再輸出目的であることが明示された製品と、UAE国内でリサイクルされた素材を使用した製品、連邦気候変動・環境省が指定した用途で使用されるロール状の薄い袋(注1)だ。
加えて、2026年1月1日からは規制対象を拡大する。カップ、ふた、ナイフ、フォーク、スプーン、皿、発泡スチロール製を含む食品容器など、使い捨てのプラスチック製品の使用が全面的に禁止される。
UAE国内における使い捨てプラスチック製レジ袋の使用に関して、アブダビ首長国では2022年6月から使用が禁止されている。ドバイ首長国では同年7月から有料化され、1枚につき25フィルス(0.25ディルハム:約9円、1ディルハム=約36円)(注2)が徴収されている(2022年2月10日記事参照)。
UAEは2023年11月にCOP28(国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議)の開催を控えており、国を挙げて気候変動を含めた「持続的な社会」の実現に向けた取り組みを進めている。現状では、中東地域で環境負荷軽減に向けた消費者レベルの意識は高いとはいえないが、今回のような思い切った決定は、社会全体での意識向上を図る一環といえる。
(注1)「rolls of thin bags」とされており、スーパーマーケットで野菜や果物を入れる際に使用する薄い透明のプラスチック袋が対象となる見込み。
(注2)フィルス(fils)はUAEディルハム(Dirham)の補助通貨。1ディルハム=100フィルス。
(山村千晴)
(アラブ首長国連邦)
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