米シェブロン子会社、エジプト石油・鉱物資源省とメタンガス管理で提携

(米国、エジプト、シンガポール)

ヒューストン発

2023年02月24日

米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)のシンガポール子会社シェブロン・ニュー・ベンチャーズは2月21日、エジプトの石油・鉱物資源省(MOPMR)と、メタン削減に関するベストプラクティスと専門知識の共有に向けた覚書に調印したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

覚書には、米国などにあるシェブロンの施設で、MOPMRの職員を対象にしたメタンと脱炭素のスタディーツアーやワークショップが含まれており、メタン制御技術や測定方法、効果的な二酸化炭素(CO2)排出削減プロジェクトについて、認識を高めることが可能としている。

シェブロンは、メタン排出性能で世界のリーダーとなることを目標としており、同社の上流部門のメタン強度(注)は、2016年以降50%削減されたという。同社のエジプトでの事業は1937年に始まり、現在では上流、中流、下流の全部門に進出している。

シェブロン・インターナショナル・エクスプロレーション・アンド・プロダクションのクレイ・ネフ社長は「われわれの産業の炭素強度を削減することは、気候変動に対処するための重要なステップで、協力が不可欠と考えている。当社は2022年以来、MOPMRとメタン削減のベストプラクティスの開発と強化に関連する協定を結んでいる」と述べた。

MOPMRのターレク・エルムッラー大臣は「脱炭素化は、MOPMRの戦略の中核をなす要素だ。(メタンは)地球温暖化の原因となるため、メタン排出量の削減は積極的な気候変動対策を支援するカギとなる」と述べた。

シェブロンの直近の脱炭素化事業には、2023年1月のメキシコ湾岸の大規模水素ハブ開発コンソーシアムを通じた水素事業の商業化加速や(2023年2月7日記事参照)、2月の循環型燃料経済拡大に向けた使用済み食用油のトラック燃料への再利用(2023年2月13日記事参照)などがある。

(注)エネルギー単位当たりのメタン排出量、すなわち、メタン排出原単位を示す。同様に、炭素強度はエネルギー単位当たりのCO2排出量を示し、炭素集約度とも呼ばれている。

(沖本憲司)

(米国、エジプト、シンガポール)

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