米シェブロン、使用済み食用油をトラックの燃料に再利用、循環型燃料経済拡大へ
(米国)
ヒューストン発
2023年02月13日
米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)は2月9日、米国の食用油管理大手レストラン・テクノロジーズ(本社:ミネソタ州メンドータ・ハイツ)との提携を発表した。使用済み食用油をトラックの燃料として再利用することで、レストラン、食料品店、ホテルなどの顧客の廃棄物削減を支援し、循環型燃料経済(注1)の拡大を目指すとしている。
レストラン・テクノロジーズは、レストランから使用済み食用油を回収し、その使用済み食用油は、レストラン・テクノロジーズの工場からシェブロンの処理施設に輸送される。本処理施設では、バイオディーゼルや再生可能ディーゼルのような、より炭素強度(注2)の低い燃料に変換される。シェブロンは、再生可能な炭素強度の低い燃料をレストラン・テクノロジーズの工場に配送し、レストラン・テクノロジーズは、この燃料をトラックの燃料として使用する。
レストラン・テクノロジーズは、2022年6月にシェブロンが買収した米国バイオ燃料大手リニューアブル・エナジー(2022年6月15日記事参照)と10年以上にわたって提携している。レストラン・テクノロジーズの循環型燃料経済の推進活動は、フードサービス業界をより持続可能で効率的なものにするための重要な取り組みだという。
シェブロンの直近の脱炭素化事業には、2023年1月のラベンSR、ハイゾン・モーターズと、カリフォルニア州での有機廃棄物由来の水素製造での協業や(2023年1月10日記事参照)、メキシコ湾岸の大規模水素ハブ開発コンソーシアム通じた水素事業の商業化加速(2023年2月7日記事参照)などがある。
(注1)あるプロセスから出る廃棄物を別のプロセスの燃料として使用するシステムを指す。廃棄物を減らすと同時に、資源(燃料)の利用を増やすという考え方。
(注2)エネルギー単位当たりの二酸化炭素(CO2)排出量、すなわち、CO2排出原単位を示す。炭素集約度とも呼ばれている。
(沖本憲司)
(米国)
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