2022年の乗用車生産は前年比10.2%増加
(チェコ)
プラハ発
2023年01月24日
チェコ自動車工業会の1月18日の発表によると、2022年の国内乗用車生産台数は121万7,787台で前年比10.2%増大し、3年連続で減少した後、伸びを取り戻した(添付資料図1参照)。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年(142万7,563台)の水準には及ばなかったものの、2020年(115万2,901台)を上回った。さらに、12月単月では、2019年以降で最高を記録した(添付資料図2参照)。
同工業会は、部品不足やロシアのウクライナ侵攻の影響などの逆境の中、前年比プラスに転じた事実を評価している。マルチン・ヤーン会長は自動車産業が直面した課題として、「半導体不足、サプライチェーンの混乱、中国における新型コロナ感染拡大の余波、エネルギー価格の高騰、高インフレ、内燃機関搭載車の新車販売終了時期の規定、次期排ガス規則案『Euro7(ユーロ7)』発表」を挙げ、チェコの自動車産業がこれほど試練にさらされた年はかつてなかっただろうと述べた。
2023年の展望に関して、同会長は、生産台数が不安定な状況が継続するとしながらも、「生産の減少は短期的で、総体的には新型コロナ前の水準に向けて、今後も生産台数は増大すると考える。現時点の受注量や、EU内外の需要が依然として順調なことに鑑みれば、2023年も自動車産業がチェコ経済にプラスの影響をもたらすことが期待できる」と述べた。
2022年の実績をメーカー別にみると、最大メーカーのシュコダ・オート(フォルクスワーゲン・グループ)の生産台数は69万3,032台で、前年比1.9%と微増した(添付資料表参照)。トヨタモーター・マニュファクチャリング・チェコ(TMMCZ)は20万2,255台で34.9%の大幅増を記録した。同社は2021年11月の「ヤリス」の生産開始に加えて(2021年11月12日記事参照)、2022年3月に新モデル「アイゴX」の製造を開始している。また、現代チェコの生産台数は17.3%増の32万2,500台で、堅実な伸びを示した。
電動車の2022年の生産台数は、バッテリー電気自動車(BEV)が8万7,086台、プラグインハイブリッド車(PHEV)が4万7,858台で、計13万4,944台だった。全生産台数に占める電動車の割合は11.1%となっている。メーカー別にみると、シュコダ・オートが7万1,894台(BEV 5万7,213台、PHEV 1万4,681台)、現代チェコが6万3,050台(BEV 2万9,873台、PHEV 3万3,177台)を占めた。
(中川圭子)
(チェコ)
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