予備選挙を除く全ての選挙に義務投票制を再び導入
(チリ)
サンティアゴ発
2023年01月16日
チリで、予備選挙(Elecciones Primarias)を除く全ての選挙と国民投票について、これまでの自由投票制から義務投票制に変更する憲法改正が1月4日、官報公示により施行された。選挙制度は民主化後の2012年から自由投票制に変更されたものの、投票率の低下がかねて問題視されていた。近年の新憲法制定へ向けた潮流の中で、政治への国民の積極的な参加を主張する声の高まりを受け、この度の制度変更に至った。
義務投票に従わなかった場合に罰金を科すなどの制裁については、国会内での議論の最中だが、病気などを理由に投票ができない場合などの例外措置についても決定される予定となっている。
今回の変更後初となる選挙は、2024年10月に行われる地方選挙だ。一方で、2023年中に実施が予定されている新憲法草案を作成する憲法評議会のメンバー選出選挙や、草案作成後の新憲法承認にかかる国民投票については、12月に大多数の政党間の議論の末に合意した内容の中で、全て義務投票制で行われることが既に定められている(2022年12月16日記事参照)。
(岡戸美澪)
(チリ)
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