トルコ、2022年のCPI上昇率は前年比64%
(トルコ)
イスタンブール発
2023年01月13日
トルコ統計機構(TUIK)の発表(1月3日)によると、2022年の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年比(2022年12月の前年同月比)64.27%となり、2022年9月に発表された政府の中期経済計画の同年末インフレ率(CPI上昇率)見込み(65.0%)(関連カジノ ブラック ジャック)をわずかに下回った。
CPI上昇率は2022年10月に、1998年6月(90.6%)に次ぐ高水準となる前年同月比85.5%を記録したのち、11月(84.39%)は低下に転じた。12月を前月比でみると、1.18%の上昇にとどまった。ただし、12月のCPI上昇率を項目別にみると、食品・飲料(前年同月比77.87%)、輸送(54.45%)、住宅・光熱費(79.83%)、家庭用機器(73.02%)などの物価上昇は高水準にある。
国内生産者物価指数(D-PPI)上昇率も、2022年10月の前年同月比157.69%から12月には97.72%に低下し、コストプッシュ圧力は緩和している。エネルギー価格などの下落や通貨リラの減価が落ち着いていることによる抑制傾向もみられ、項目別では、エネルギーが前月比でマイナス10.63%(前年同月比224.67%)、中間財は1.66%(同70.91%)となった。
イスタンブール商業会議所(ITO)が発表したイスタンブール市の小売物価の上昇率も、2022年11月の前年同月比105.55%から12月は92.97%に低下した。また、TUIKの発表と同時に発表された、独立調査機関ENAグループの調査結果によると、2022年12月のCPIは前月比5.18%、2022年は前年比137.55%の上昇とされ、いずれも政府発表からは大きく乖離している。
レジェップ・タイップ・エルドアン大統領は2023年1月3日、物価上昇率を中期目標値以下に抑制することに成功したことを強調し、公務員の給与および定年退職者の年金引き上げ率を25%と発表した。しかし、物価上昇に対して、引き上げ率が小さいとの反発を受け、1月4日には引き上げ率を30%に上方修正した。国民の物価上昇に対する批判は大きく、政府は、トルコの4大スーパーマーケット・チェーンに価格の引き下げか、あるいは価格固定化を約束させるなど、腐心している。6月に予定されている大統領・国会議員選挙を前に、実質的なマイナス金利(政策金利9%)となるなか、いかに物価上昇を抑制できるか注目が集まっている。
(中島敏博)
(トルコ)
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