2023~2025年の経済について「中期計画」を発表

(トルコ)

イスタンブール発

2022年09月13日

トルコ政府は95日、20232025年の経済についての「中期計画PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。ヌーレッディン・ネバーティ国庫・財務相は、同計画は「トルコの経済モデル」を中核に据えたもので、高付加価値生産、生産性、輸出増加によって経常赤字の改善を確実にすることを目的とし、財政規律を損なわないものだと述べた。

「トルコの経済モデル」とは、低金利政策によって投資、生産、雇用、輸出を優先し、経済成長を促進させるというレジェップ・タイップ・エルドアン大統領の考えによるもの(2021126日記事参照

同計画では、2022年末のGDP成長率を5.0%と予測、2025年までの年平均成長率の目標を5.3%とした(添付資料表1参照)。また、1人当たり所得は2023年に1万ドルを超えることを目標とした。インフレ率に関しては、2022年末時点の見込みを前年比65%とし、2025年には1桁台へ抑えることを目標とした。失業率も2024年には1桁台に改善することを目標としている。

経常収支の赤字は、2022年には473億ドル(GDP5.9%)の水準に達するが、2023年に220億ドル(同2.5%)へ減少させることを目標としている。一方、財政赤字については、 2022年末予測の4,612億リラ(約36,435億円、1リラ=約7.9円)から、2023年には6,590億リラに膨れ上がる見込みだ(添付資料表2参照)。

202294日付「デュンヤ」紙によると、同計画は対ドル平均レートを16.62リラとして2022年の予測値を算出している。2023年のレートについては1ドルを21.53リラで算出していることから、同計画は今後もリラの通貨安が続くと見込んでいることが分かるとしている。なお、202297日現在のレートは1ドル=18.2リラとなっている。

(中島敏博)

(トルコ)

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