米農機・建機大手ジョンディア、新肥料散布システムと電動ショベルカーを発表
(米国、オーストリア)
シカゴ発
2023年01月10日
米国の農機・建機大手ジョンディア(本社:イリノイ州モリーン)は1月5日、ラスベガスで開催された米国内最大のハイテク技術見本市「CES 2023」(関連ブラック ジャック トランプ)で、新肥料散布システム「ExactShot」と電動ショベルカーを発表した。
同社のジャミ―・ヒンドマン最高技術責任者(CTO)は「当社の顧客が、増加する世界人口が必要とする食料、燃料、繊維、インフラを提供できるようにする技術を開発している」と述べ、新製品開発の意義を強調した。
「ExactShot」を使用すると、農家は植え付け中に必要なスターター肥料の量を60%以上減らすことができるとしている。米国のトウモロコシ作物全体で年間9,300万ガロン(約3 億5,000万リットル)以上のスターター肥料を節約し、無駄な肥料が雑草の成長を促進したり、畑から水路に流れ込むリスクを高めたりするのを防ぐことができると説明している。
電動ショベルカーは、機械のパワーと性能の妥協をすることなしに、日々の運転コストの削減、建設現場の騒音の低減、機械の信頼性向上、ゼロエミッションが実現できるとしている。同製品の具体的な発売時期は発表されていないが、鉱業や建設業などの重工業分野の顧客から電動化に対応した重機への需要が高まり、同社と競合する企業が次々と電動化重機を開発する中での発表となった。
新しい電動ショベルカーは、浸漬冷却型電気バッテリーモジュールとパックの開発のパイオニアのクライゼル・エレクトリック(本社:オーストリア・ラインバッハ)のバッテリーを搭載する。ジョンディアは2022年2月にクライゼルの株式の過半数の取得を完了しており、同年9月にはクライゼルのバッテリー生産能力拡大のために大規模な投資を発表した。クライゼルの充電技術を使用すれば、電力網への接続をより速く、より低コストで実現することができるという。
なお、ジョンディアは2026年までに電動のコンパクト・ユーティリティー・トラクター、商業用・家庭用芝刈り機など20種類以上の電動建設機械の発売を予定している。
(星野香織)
(米国、オーストリア)
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