デリー準州、大気汚染激化時に車両交通規制を適用
(インド)
ニューデリー発
2022年12月12日
デリー準州では、インド大気質管理局(CAQM)がデリー首都圏の大気汚染レベルをステージ3〔空気質指数(AQI)401~450〕に指定した場合に、そこに連動させるかたちで州内における車両交通規制を課すようになっている。州内の走行が原則として禁止されるのは、古い排ガス規制基準を基にしたガソリン(BS-III)およびディーゼル(BS-IV)の乗用車(注)だ。なお、違反が見つかった場合の罰金は2万ルピー(約3万4,000円、1ルピー=約1.7円)と定められている。
デリー首都圏における大気汚染対策としての各種規制は、基本的にCAQMによる行動計画(2022年8月改定)にのっとり、大気汚染レベルに応じて敷かれる仕組みだ(主な車両交通規制は添付資料表参照)。ただ、ガソリン(BS-III)・ディーゼル(BS-IV)乗用車の使用規制は、デリー首都圏に位置する各州政府の判断に委ねられることが、同行動計画に明記されている。
デリー準州は、CAQMが2022年初めてステージ4(AQI451以上)を宣言した日の翌日、11月4日に当該乗用車への規制を初めて発表した後、大気汚染レベルがステージ2(AQI301~400)に戻った11月13日まで同規制を継続させた。その後、CAQMが再び大気汚染レベルをステージ3にした日の翌日(12月5日)から、同レベルをステージ2に引き下げる12月7日までの期間中、同様の交通規制を敷いた。
なお、10月下旬以降、デリーにおける日中のAQIは300を超える水準で推移している。ステージ2以上の場合に課されるディーゼル発電機の使用規制は、10月19日の適用開始(2022年10月24日記事参照)以来、現在も続いている。
(注)BS(バーラト・ステージ)は、インドにおける自動車排出ガス規制。EUによる同種規制を基にしており、BS-IIIは2005年以降、BS-IVは2010年以降に順次導入された。現行の最新基準であるBS-VIは2018年以降の導入。
(広木拓)
(インド)
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