トルコ航空物流大手、カザフスタン西部に物流ハブを建設
(カザフスタン、トルコ)
タシケント発
2022年12月16日
カザフスタン西部のアクトベ州政府は12月6日、首都アスタナで開催された第7回国際投資フォーラムにおいて、アクトベ国際空港と、トルコの航空物流大手エス・システム・ロジスティックがアクトベ国際空港に物流ハブを建設する覚書を締結したと発表した。
エス・システム・ロジスティックは、1999年に設立された、航空会社向けに物流サービスを提供する民間企業。トルコの主要空港に航空貨物用倉庫を所有・管理し、国内外輸送、通関サービスも手掛けている。
建設は2段階で行われ、第1フェーズでは、アクトベ国際空港に1万平方メートルの貨物ターミナルを建設、運営を行う。第2フェーズでは、50万平方メートルの空港隣接地に複合一貫輸送に対応するコンテナ積み替えターミナル、コンテナ保管所、配送センターなどを建設し、エス・システム・ロジスティックが一括管理する。投資総額は1億6,000万ドル。
この投資プロジェクトは、2022年3月にアスタナで行われたカザフスタン・トルコ・ブラック ジャック 確率フォーラムで発表された(カザフスタン首相ウェブサイト3月4日)。
トルコは、新型コロナウイルス感染拡大の影響下にあった直近の3年間も、経済、貿易、投資分野でカザフスタンとの関係を強化している。過去15年のトルコの投資総額は43億5,000万ドル(カザフスタン大統領府ウェブサイト10月12日)。カザフスタン国内のトルコ系企業は3,700社で、鉱業、インフラ、食品産業、製薬など、幅広い分野で活動しており、2021年の2国間の貿易総額は前年比33%増の41億ドルに達した(カザフスタン首相ウェブサイト3月4日)。
2022年5月に、カシムジョマルト・トカエフ大統領がトルコを訪問し、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領と拡大戦略的パートナーシップに関する共同声明に署名。相互貿易額100億ドルを目標に輸送と物流を強化していくことで合意した(2022年5月19日記事参照)。10月には、エルドアン大統領がカザフスタンを訪問し、a.外交政策と投資、b.貿易と経済協力、c.輸送と物流、d.軍事産業、e.エネルギーと農業に関する会談をおこなった。トカエフ大統領は、2国間の貿易を発展させるため輸送ルートの確保が重要だとして、カスピ海横断国際輸送ルート開発の必要性を強調している(カザフスタン大統領府ウェブサイト10月12日)。
(増島繁延)
(カザフスタン、トルコ)
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