タイ米USTR代表が中国の王商務部長と会談、ブリンケン米国務長官は2023年初めに訪中へ
(米国、中国)
ニューヨーク発
2022年11月21日
米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表は11月18日、APEC閣僚会議に出席するため訪問したタイ・バンコクで、中国の王文濤商務部長(商務相)と会談した。タイ代表は2021年3月の就任以降、中国の劉鶴副首相と2度、バーチャル形式で協議しているが、中国の閣僚と対面で会談したのは今回が初めてとみられる(関連ブラック ジャック カード、関連トランプ ゲーム ブラック参照)。
USTRの発表によると、タイ代表は会談で、米国のAPECに対するビジョンを共有した。両氏は米中の2国間貿易について議論し、両国の開かれた対話のラインを維持することの重要性を強調した。会談に関して、発表ではこれ以上の詳細は明かされていないが、USTRの報道官は、会談は1時間以上に及び、率直な議論が行われたとしている(米通商専門誌「インサイドUSトレード」11月18日)。
米中関係を巡っては、米国のジョー・バイデン大統領と中国の習近平国家主席が11月14日に初の対面会談を行ったばかりだ(関連ブラック ジャック ルール、関連ブラック ジャック アプリ参照)。両首脳は対話を継続すべく、米国のアントニー・ブリンケン国務長官が訪中することで合意した。同長官は11月17日、訪問したバンコクでの記者会見で「バイデン大統領から2023年初めに中国を訪問するよう指示を受けた」と言明。米中2国間の課題のほか、地域課題、気候、保健、マクロ経済などのグローバルな課題に関してフォローアップの協議を行う意向を示した。
米中首脳の初の対面会談を受け、米国メディアのブルームバーグ(11月14日)は、8月のナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア州)の台湾訪問を機に緊張度が増した米中関係を念頭に、バイデン大統領は中国との関係で責任を持って管理する意図について、中国だけでなくインド太平洋地域の同盟国にも安心を与えようとしたと分析した。
米国の識者からは、首脳会談が米中対立の激化を防ぐ機会になったことを評価する声が聞かれた。米国シンクタンク、外交問題評議会のデービッド・サックス・リサーチフェローはブログで「今回の会談が米中関係の突破口になるのはハードルが高すぎた」と指摘しつつも、関係悪化が固定化する中で、会談は両国の競争が対立に至らないようにするための共通理解につながるという点で、前向きな進展との見方を示した。戦略国際問題研究所(CSIS)のスコット・ケネディー・シニアアドバイザーは、台湾を巡る越えてはならない一線(レッドライン)など、会談で話し合われた個別課題よりもさらに注目すべきは、双方の政権高官が定期的に関与し合うことに合意し、その場限りの対話から脱したことだと説いた(米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」11月14日)。
ただ、対立の火種が消えたわけではない。アトランティック・カウンシルのジェレミー・マーク非常勤シニアフェローは論考で、中国側の声明では「貿易戦争あるいは技術戦争」が、米国側の声明では中国の「非市場的経済慣行」がそれぞれ提起されたことに言及し、「経済関係における核心的相違は今後も悪化しそうだ」と予測した。
(甲斐野裕之)
(米国、中国)
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