新車輸入に関する政令公布、新たな条件導入
(アルジェリア)
パリ発
2022年11月24日
アルジェリア政府は11月17日付官報で、乗用車、バス、トラック、バイクなどの新車輸入要件を規定する22-383号政令を公布した。2020年の20-227号(2020年8月28日記事参照)、2021年の21-175号政令(2021年5月21日記事参照)に続き、3年間で3回目の改定となる。ブランド数の制限や電気自動車(EV)販売促進の義務化など、前政令によって導入した制度が部分的に廃止された一方、新車輸入ディーラーとしての営業認可の取得や、燃料の種類の制限、メーカー数の制限など、多岐にわたる条件を導入した。主な措置は次のとおり。
- ディーラーが取り扱うブランド数の制限を廃止。ただし、ディーラーは1つのメーカーしか取り扱えない(第4条)。
- 事前営業認可、最終営業認可の2段階から成る申請制度を導入。販売網の拠点数や店舗面積の条件を再導入(第5条、第9条、付属資料第5条、付属資料第6条など)。
- 最終営業認可は5年間有効で、更新可能(第13条)。
- 新車輸入ディーラーが輸入できる乗用車は、ガソリン、電気、水素、ハイブリッド(ガソリン・電気またはガソリン・水素)、液化石油ガス(LPG)か圧縮天然ガス(CNG)エンジンを搭載している車種に制限(第29条)。
- 1600cc以上の乗用車に対して、側面部のエアバッグ装着を義務化(付属資料第24条)。
- オートバイの保証走行距離の下限は8,000キロ(変更なし)で、保証期間は36カ月以内(15カ月以内から拡大)。乗用車の保証走行距離の下限は10万キロ(12万キロから引き下げ)で、保証期間は60カ月以内(変更なし、付属資料第30条)。
なお、前回2021年の政令公布後に提出された複数の営業申請に対し、産業省は認可を出しておらず、申請ディーラーによる新たな輸入は実現していない。今回の規定改正により、各ディーラーは新たな営業申請を求められるが、政府が輸入抑制と現地生産拡大の方針を強化する中、産業省が認可手続きを進めるか注目される。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア)
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