最低賃金を再び引き上げ、年末特別ボーナスの義務付けも検討
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2022年11月29日
アルゼンチン政府は11月22日、政府と労働組合、経営者団体で構成する国家雇用・生産性・最低賃金評議会が最低賃金を20%引き上げることで合意したと発表した。11月時点の最低賃金の月額5万7,900ペソ(約4万8,636円、1ペソ=約0.84円)を翌12月に7%、2023年1月に6%、2月に4%、3月に3%と段階的に引き上げる。2023年3月の最低賃金は6万9,500ペソで、前年同月比2.1倍となる。
今回の決定は、インフレの高進が続く中(10月は21 トランプレ再加速で年率88)、労働組合などの強い賃上げ要請に応えるかたちとなった。しかし、一部の労働組合は今回の合意内容への不満を訴えている。国家統計センサス局(INDEC)の11月7日付の発表によると、1世帯が必要とする基礎的食料、住宅、保健、教育、衣類やその他の日常的支出は月額13万9,738ペソとなっているため、最低賃金は13万9,000ペソ以上に設定されるべきだとしている。
また、政府は最低賃金の引き上げに加えて、全ての民間正規労働者を対象とした年末の特別ボーナスの支払いを雇用主に義務付けることを検討していると複数メディアが伝えている。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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