トランプ氏、2024年米大統領選への立候補を表明
(米国)
米州課
2022年11月16日
ドナルド・トランプ前米国大統領は11月15日(日本時間16日)、2024年の米大統領選に再立候補すると表明した。フロリダ州パームビーチにあるトランプ氏の邸宅「マール・ア・ラーゴ」で開催した支持者集会において明らかにした。
トランプ氏は演説の中で、自身のリーダーシップの下で「米国は偉大で輝かしい国家になった」と述べ、自身の政権運営について振り返った上で、「米国をかつてないほど偉大な国にするまで決して諦めない」「米国を再び豊かに、強く、誇り高く、安全で、輝かしく、偉大な国にする」と強調した。
11月8日に投開票が行われた米国中間選挙では、CNNの報道によると、日本時間11月16日時点で、連邦上院(100議席、任期6年)で民主党が50議席、共和党が49議席の獲得を確実にし、民主党が過半数を維持する見通しだ(注)。連邦下院(435議席、任期2年)では民主党が206議席、共和党が217議席の獲得を確実にし、共和党が過半数218議席まで1議席に迫る。両院ともに結果は未確定ながらも、選挙前に予想されていたほどの「共和党の波」は起きなかったことから(2022年11月10日記事参照)、共和党内ではその原因をトランプ氏の過激な言動に向ける動きもある。トランプ氏は「共和党はもっとうまくできたはずだという非難は正しい」と認めながらも、「ちょうど1週間前の中間選挙で共和党は下院の多数派を奪還した」「中間選挙では私が支持した候補の勝敗は232勝22敗だった」として成果を強調するとともに、「2024年には投票はもっと違うものになるだろう」との考えを示した。
2024年の大統領選に向けて、現職のジョー・バイデン米国大統領(民主党)は中間選挙後の記者会見で「もう1期目指すかどうか」との記者からの質問に対し、「再出馬する意思がある」として意欲を示しつつも、「来年の早い時期に判断する」として最終的な結論は出していない(関連ブラック ジャック ブラック)。また、共和党からは現時点でトランプ氏のほかに立候補を表明している主要な候補者はいないながらも、米国メディアではフロリダ州知事のロン・デサンティス氏を筆頭に、マイク・ペンス前副大統領、上院議員で2016年大統領選ではトランプ氏と共和党指名を争ったテッド・クルーズ氏などが取り沙汰されている。
(注)連邦上院では、賛否が50票同数の場合、議長を務める副大統領の1票で採決となることから、実質的に民主党が主導権を維持する。
(葛西泰介)
(米国)
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