欧州中銀、主要金利を連続で引き上げ、TLTRO IIIの適用金利の調整を発表
(EU、ユーロ圏)
デュッセルドルフ発
2022年10月28日
欧州中央銀行(ECB)は10月27日、フランクフルトで開催した政策理事会後の記者会見で、3つの主要政策金利の引き上げを発表した。3会合連続での引き上げとなる。11月2日から、前回と同様に(関連実写 版 ブラック ジャック)、各金利を0.75ポイント引き上げる。政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)は1.25%から2.00%、限界貸付ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)は1.50%から2.25%、預金ファシリティー金利は0.75%から1.50%となる。エネルギーや食品の価格高騰、供給制約と新型コロナ禍後の需要回復などの影響を受け、インフレ率は依然として高過ぎる水準にあり、目標である2%を長期的に上回る可能性が高いと判断し、引き上げを決定した。なお、9月のユーロ圏のインフレ率は9.9%を記録。インフレ見通しへのリスクは上振れしていると指摘した。ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で、インフレ率が目標の水準に回帰するよう金利のさらなる引き上げを示唆しながらも、「会合ごとにデータに基づき決定する」と強調した。
また、2019年9月から行っている貸し出し条件付き長期資金供給オペレーション(TLTRO III:Targeted longer-term refinancing operations)に適用される金利を11月23日から調整するとした。11月22日までは現在の計算方法が維持されるが、11月23日以降、ECBの主要政策金利の平均値が適用される。TLTRO IIIは新型コロナウイルス感染拡大の急性期の間、価格安定の下振れリスクへの対処として主要な役割を果たした一方、現在の予想外の異常なインフレ率を考慮し再調整が必要だと判断した。
なお、ECBは7月1日に終了したユーロシステムによる債券・国債の購入プログラム(APP:asset purchase programme)について、同プログラムの下で購入して保有する債券・国債の償還後の全額再投資を必要な限り継続する意向を維持した。このほか、3月末に終了した資産購入プログラム「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」を通じて購入し保有する債券・国債の償還後の再投資期間については、少なくとも2024年末とする方針を維持した。
(ベアナデット・マイヤー)
(EU、ユーロ圏)
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