米国で12月16日までのつなぎ予算成立、次は2023年度本予算の本格審議へ
(米国)
ニューヨーク発
2022年10月03日
米国で2023年度(2022年10月1日~2023年9月30日)本予算成立までのつなぎ予算が成立・発効した。12月16日までの政府資金の支出に充てる。9月29日に上院を通過(賛成72、反対25)、翌30日に下院を通過し(賛成230、反対201)、同日夜にジョー・バイデン大統領が署名して発効した。つなぎ予算が成立しないまま新年度を迎えた場合、政府機関の一部閉鎖などが発生し、行政サービスが制約される恐れがあった。過去46年で、新年度前に本予算が成立せず、つなぎ予算が作成されたのは43回に及ぶという(ロイター9月30日)。
つなぎ予算の内容は、人件費など政府機関のサービス継続費用が中心だが、武器供与などウクライナ支援として123億5,000万ドル、各地で相次ぐ災害救援資金として新たに約45億ドルを計上している。また、今冬のエネルギー価格高騰に備えた低所得者向け支援資金として10億ドルも計上した。一方で、新型コロナウイルスやサル痘対策への追加資金は与野党間の調整過程にあり、今回は盛り込まず、本予算などへの計上に先送りしたもようだ。
なお、化石燃料関連産業が盛んなウェストバージニア州選出のジョー・マンチン上院議員(民主党)は今回のつなぎ予算法案に合わせ、エネルギープロジェクトの環境審査許可の緩和を柱とする法案も盛り込み、その成立を模索した。しかし、与野党から激しい反対があり、マンチン議員がこの法案を取り下げたことで、つなぎ予算が成立する運びとなった。この法案は年末にかけて引き続き調整されるとみられている。
CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法(2022年8月10日記事参照)やインフレ削減法(関連カード ゲーム ブラック)などの大型歳出法案が8月に既に成立していることから、議会の次の焦点は2023年度本予算の議論に移る。11月の中間選挙が迫る中、国民にアピールできる本予算を打ち出していけるかどうか、バイデン政権の今後の動きに注目が集まる。
(宮野慶太)
(米国)
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