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(インド)
ニューデリー発
2022年10月04日
インドのデリー首都圏(NCR)では10月から、ディーゼル発電機の利用制限が開始された(関連オンライン ブラック ジャック)。デリー首都圏に工場を有する多くの企業は不安定な公共電力供給への対策として、ディーゼル発電機を保有し、バックアップ電源に使用しているが、大気質管理局(CAQM)は電力会社に電力の安定供給を求めるとともに、産業界に対しても、ディーゼル発電機の使用を控えるよう要請している。
CAQMのアービンド・ノーティヤル次官補はジェトロのヒアリング(9月26日)に対し、以下のとおり説明した。
- デリー首都圏でのディーゼル発電機の使用制限は予定どおり10月1日から開始する。ただし、基準となる首都ニューデリーの空気質指数(AQI)が300以下の場合は、制限を適用せず、10月1日以降も従来と同様にディーゼル発電機を使用できる。
- ニューデリーのAQIが基準値301に近い水準になった時点で、CAQMが規制に関する通達を発出し、ウェブページ上で公開する。早ければ数日後から、ディーゼル発電機の使用制限を適用する。それ以降もAQIの変動に応じてその都度、通達を出す予定。
- 同通達が出た際は、天然ガス供給がある地域かどうかによって、ディーゼル発電機の使用制限基準が異なる。天然ガス供給がある地域の場合、ディーゼル発電機をディーゼル・天然ガス併用可能タイプに改造し、かつ中央公害規制委員会(CPCB)が指定した検査機関が認定する排ガス処理装置(RECD)を装着していれば(注1)、1日当たり最大2時間使用できる。天然ガス供給がない地域の場合、CPCB指定の検査機関が認定するRECDを装着すれば、1日当たり最大1時間の使用を認める。
- ただし、現時点ではCPCB指定の検査機関によるRECDの認定が遅れており、認定されたRECD自体がまだ市場に出回っていない点を認識している(注2)。従って、この条件を満たしていない点だけをもって、企業に罰金などを科すことは想定していない。
国内の産業界には、電力の安定供給が保証されない中での同規制の導入に反発する声も強い。インド工業連盟(CII)もCAQMに規制の見直しを申し入れるなど、政府への働きかけを行っている。
(注1)製造から5年未満のディーゼル発電機の場合、排ガス処理装置の装着は不要(2022年2月1日付CPCBガイドライン12ページ参照)。
(注2)容量800キロワット(kW)を超えるディーゼル発電機に関しては、検査機関の認定はなじまないとして、一定の基準を満たせば使用可能とした(2022年9月14日付CAQM指令)。
(広木拓)
(インド)
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