米鉄道労使交渉、全米輸送会社会議委員会と一部組合が暫定合意を発表

(米国)

ロサンゼルス発

2022年09月02日

米国内の鉄道で労使交渉が継続する中、全米の貨物鉄道会社を代表して交渉を行う全米輸送会社会議委員会(NCCC)は8月29日、一部の組合と暫定的な合意に達したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

暫定的な合意を今回締結したのは、運輸通信労働組合(TCU)、鉄道労働組合(BRC)、国際機械工航空宇宙労働組合(IAM)の3団体で、組合員数は合わせて15,000人以上。この暫定合意により、大統領緊急委員会(PEB)の勧告のどおり、2020年から2024年までの5年間に複利24%の賃上げ(即時発効は14.1%)と、同期間中の毎年1,000ドルの特別ボーナス支給が実施される。賃上げと特別ボーナスの一部はさかのぼって適用され、組合員による同意が得られ次第、速やかに支給される予定だ。

なお、今回の暫定合意には、機関車電車工同盟(組合員数57,000人以上、BLET)と板金・航空・鉄道・運輸組合(SMART-TD)の米国2大鉄道組合は含まれていない。

米国鉄道業界では、20201月から貨物鉄道会社とその従業員の労働組合との間で、主に賃上げを争点とした労使交渉が継続している。鉄道会社連邦政府機関の全国仲裁委員会(NMB)による仲裁が不調に終わったため、ジョー・バイデン大統領は715日にPEBを創設し(2022年7月20日記事参照)、PEB816日に解決に向けた勧告をバイデン大統領に報告していた(2022年8月22日記事参照)。勧告の報告後30日間で合意に至らない場合にはストライキやロックアウト、雇用条件の一方的な変更が可能となる。

(永田光)

(米国)

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