ハリス米副大統領、韓国の尹大統領と会談、米国のEV税額控除についても議論
(米国、韓国、日本、北朝鮮、中国、台湾)
ニューヨーク発
2022年09月30日
米国のカマラ・ハリス副大統領は9月29日、韓国を訪問し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談を行った。韓国訪問前には、安倍晋三元首相の国葬に参列するために日本を訪問していた(2022年9月29日記事参照)。
ホワイトハウスが公表した会談要旨によると、ハリス副大統領は米韓同盟が引き続き、インド太平洋および世界の平和と安定、繁栄における支柱であると指摘。国際ルールに基づく秩序を維持することの重要性を強調し、さまざまな課題における韓国との緊密な連携を歓迎した。また、米国が韓国の防衛にコミットしている点を強調した。具体的な課題の筆頭には北朝鮮への対処を挙げ、同国に対峙(たいじ)する上での連携と、朝鮮半島の非核化を完遂するという目標を確認したとしている。この点については、日本を含めた3カ国間の協力に基づく対応についても議論したとしている。
両者は、中国と台湾および、台湾海峡における平和と安全の保全についても議論した。ハリス副大統領はその中で、台湾海峡の安定は自由で開かれたインド太平洋にとっての不可欠な要素であることを強調した。経済関係については、2022年5月のジョー・バイデン大統領訪韓時に首脳間で合意した事項(韓米首脳会談共同声明を公表、無料)に基づく進捗の確認に加えて、宇宙開発や気候変動対策の分野での協力を中心に意見を交わしたとされている。その中には、米国のインフレ削減法に含まれる電気自動車(EV)の購入に対する税額控除も含まれた。これについて韓国側は、国際貿易と通商規則に違反すると懸念を表明しており(関連ブラック ジャック トランプ)、ハリス副大統領は、韓国側の懸念に理解を示すとともに、法律が実施に移される中で協議を続けることを強調したとしている。
このほかハリス副大統領は、ジェンダーの平等性や韓国および世界における女性の活躍の推進について、バイデン政権が優先度を高くして取り組んでいることを説明した。副大統領は今回の訪問中に、韓国の女性リーダーとの会合も開催している。
会談要旨の最後では、ハリス副大統領は安全保障問題を中心に、日米韓の3カ国協力の重要性を強調するとともに、日韓関係の改善がもたらす利益を説いたとしている。
(磯部真一)
(米国、韓国、日本、北朝鮮、中国、台湾)
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