米シェブロンと国立再生可能エネルギー研、技術インキュベータ設立

(米国)

ヒューストン発

2022年09月12日

米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)は9月9日、米国エネルギー省(DOE)の国立再生可能エネルギー研究所(NREL)と協力し、最先端技術と市場とのギャップを埋めるための技術インキュベータ「シェブロンスタジオ」を設立したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

シェブロンによると、国立研究所や大学の科学者、研究者はしばしば最先端技術を開発しているが、それらを市場投入し、ビジネス規模を拡大する手立てを持たない。一方で、起業家は、最先端技術を商業的に開発するためのビジネスセンスとリソースを持っているが、必ずしも自らが技術を持っているわけではないという。シェブロンスタジオは、この両者を結びつけ、低炭素化を可能にする最先端技術を市場投入し、より多くの人々や企業に手ごろで信頼性が高く、よりクリーンなエネルギーをもたらすのに役立つとしている。

シェブロンスタジオのプログラムは、最先端技術の市場投入に向けて、3つの段階を設けている。第1段階では、起業家が興味や専門知識に基づいて必要な技術を見つける。第2段階では、起業家がビジネスと技術をスケールアップして価値を実証し、必要に応じて外部資金を調達する。第3段階では、最小限の商用規模の装置で技術を試用し、実現可能性と価値を実証する。

第1段階にある企業の主な関心領域は、炭素利用、水素と再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵システム、循環型経済へのソリューションだ。これら企業のうち、最も魅力的で競争力のある提案を有する企業は第2段階へ進み、さらに、事業拡大の可能性を示した企業は第3段階へ進むことができるとしている。シェブロンは、今後、半年ごとに募集を行い、2023年第1四半期に第2段階へ進む企業を決定する予定だ。

なおNRELは、シェブロンのほかにも、トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(本社:テキサス州プレイノ)と、メガワット級の燃料電池システムの開発で提携すると8月24日に発表するなど(関連ブラック ジャック ディーラー)、民間企業との脱炭素化に資する取り組みを進めている。

(沖本憲司)

(米国)

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