中銀、政策金利の据え置き決定、インフレ率予測は上方修正

(チェコ)

プラハ発

2022年08月08日

チェコ国立銀行(中央銀行)は8月4日の定例金融政策会議で、政策金利を7.0%に据え置くことを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ロンバートレート(債権担保貸付金利)とディスカウントレート(割引率)も8.0%と6.0%にそれぞれ据え置いた。

今回の金融政策会議は、7月にアレシュ・ミフル新総裁が就任して初めて開かれた。ミフル総裁は前任のイジー・ルスノク氏とは異なり、現状での金利引き上げ効果に懐疑的で、総裁任命式でもこれまでの金融政策の見直しに言及していた(関連ブラック ジャック ゲーム)。

今回の決定に関して、中銀は金利は既に内需を鈍化させる水準にあるとした上で、長期的な物価安定には緩やかな賃金引き上げ交渉と財政政策の適切な運営も不可欠との考えで合意したと説明している。今後、評価の対象となる経済データを精査し、金利をこのまま安定させるか、あるいは再び引き上げるかを次回の政策会議で決定する。

産業界は中銀の決定を肯定的に受け止めている。産業連盟は同日発表したプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、現在のインフレ状況の大半がサプライチェーン混乱など世界的な供給制約の影響によるもので、これを中銀が金融政策で抑制することはできないと指摘した。同連盟は「現在の制約を考慮すると、さらなる金利引き上げは企業にとって借り入れコストを一層引き上げることを意味する。新規融資の金利は6月には7.9%に達したが、これは中銀が統計を取り始めて以来最も高い」としている。

中銀は同日公表した夏季経済予測PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、2022年のインフレ率を春季経済予測(55日発表、)の13.1%から16.5%に引き上げた。特にガス代や電気代の高騰によって今後も数カ月にわたってインフレ率は上昇し、秋には20%に達するとしている。統計局によると、6月のインフレ率は前年同月比17.2%に達している。2023年に関しては、予測値を4.1%から9.5%に引き上げたほか、2024年については今回新たに2.4%との見通しを発表した。中銀が掲げるインフレ目標の2%に近づく時期も、春季経済予測では2023年下旬としていたが、今回の予測では2024年に持ち越されると見込んでいる。

一方、実質GDP成長率については、2022年は春季予測の0.8%から2.3%に上方修正したが、2023年については3.6%から1.1%に下方修正した。内需については、家計消費は実質賃金の低下により減退し、企業はエネルギーや原材料の価格高騰のため、投資の制限を余儀なくされると中銀は指摘している。

(中川圭子)

(チェコ)

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