米ニューヨーク州、選挙区割り再編成後初の連邦下院と州議会上院の予備選実施

米国ニューヨーク州では8月23日、11月の中間選挙に向け、連邦下院と州議会上院の予備選挙が行われた。今回の予備選挙は、2022年初めに民主党多数の州議会で再編成された選挙区域地図が、選挙区割りに関する州憲法に反するとの判決が下されたため、連邦下院と州上院の選挙区域地図が再編成された上で実施された。

特に注目を浴びたのは、ニューヨーク市マンハッタン中心部を選挙区とする連邦下院第12区の民主党予備選だった。クリントン政権時から連邦下院議員を務めるジェロルド・ナドラー氏とキャロリン・マロニー氏が、今回の選挙区割りの結果、現職として同じ選挙区で戦うことになった。結果は、ナドラー氏が得票率55％を獲得して勝利した。ナドラー氏は選挙活動中に、自分は「ニューヨーク市（中心部）のユダヤ系の議員としては残り最後の1人」と訴えていたという（「ワシントン・ポスト」紙電子版7月19日）。各主要メディアは、敗戦確実となったマロニー氏について、議会での30年近くのキャリアを終えることになる、と報じている。

また、マンハッタン区の南端部とブルックリン区の北西部からなる連邦下院第10区の民主党予備選では、ドナルド・トランプ前大統領の1回目の弾劾裁判で下院首席弁護士を務めたダン・ゴールドマン氏と台湾系のユーリン・ニュー州下院議員との間で接戦になっている。ゴールドマン氏は、米国のジーンズメーカーであるリーバイ・ストラウスの相続人として知られ、ニューヨーク・タイムズ紙から支持を受けている（オンラインメディア「ザ・インターセプト」8月24日）。ニューヨーク前市長のビル・デブラシオ氏は、候補者13人中10位にとどまっている。

なお、ニューヨーク州の知事、副知事、司法長官などの予備選挙は、6月27日に行われた（2022年7月4日記事参照）。

（吉田奈津絵）