大統領選は接戦、結果発表は8月16日の予定

ケニアで8月9日、大統領選挙の投票が行われた。独立選挙管理・選挙区画確定委員会（IEBC）の発表によると、投票率は65.5％だった。選挙結果はIEBCが8月16日までに発表する予定だ。

今回の選挙には、3選が禁じられている現職ウフル・ケニヤッタ大統領は出ることができず、計4人の候補者で争われた。投票前の予想どおり、8月10日午前時点の報道では、ウィリアム・ルト副大統領と野党・オレンジ民主運動（ODM）のライラ・オディンガ元首相による接戦が伝えられている。

ルト氏はケニヤッタ大統領の後継者とされていたが、2018年に敵対していた同大統領とオディンガ元首相の和解に端を発して、現職の大統領と副大統領の溝が顕在化。大統領は長年のライバルだった野党のオディンガ氏への支持を公言していた（2022年4月5日付地域・分析レポート参照、2022年5月9日付地域・分析レポート参照）。

前回2017年の大統領選では、敗北した野党連合が投票数の不正操作があったとして選挙結果無効の異議申し立てを行った。最高裁判所はこれを認め、再選挙が実施されている（2017年11月1日記事参照）。また、過去の選挙では、民族対立などを背景にした暴力が頻発したが、今回は今のところ大きな混乱は伝えられていない。

（中川翼）