7月の米小売売上高は前月から横ばい

(米国)

ニューヨーク発

2022年08月18日

国商務省の速報(8月17日付)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、7月の小売売上高(季節調整値)は前月比で横ばいの6,828億ドルで(添付資料表参照)、ブルームバーグがまとめた市場予想の0.1%増を下回った。6月の売上高は前月比1.0%増(速報値)から0.8%増に下方修正された(2022年7月19日記事参照)。

無店舗小売り、建材・園芸用品、その他などが押し上げ要因

業種別にみると、無店舗小売りが前月比2.7%増の1,106億ドル、寄与度プラス0.42ポイントと全体を最も押し上げた。次いで、建材・園芸用品が1.5%増の427億ドル(寄与度プラス0.09ポイント)、その他が1.5%増の163億ドル(同プラス0.04ポイント)で増加に寄与した。一方、自動車・同部品は前月比1.6%減の1,249億ドルと減少した。

今回の発表を受け、全米小売業協会(NRF)のマシュー・シェイ会長兼最高経営責任者(CEO)は、消費者は食品や新学期用品などの必需品を優先することで物価上昇に適応しており、小売業者らはコスト上昇を吸収すべく、懸命に努力していると述べた上で、国民へのインフレ圧力を緩和するには、米国の対中追加関税の撤廃、賢明な移民改革の実施、サプライチェーンの回復力への投資などの政策措置が必要であると指摘した(NRFプレスリリース8月17外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

また、民間調査会社コンファレンスボードが7月26日に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした7月の消費者信頼感指数は95.7と、6月(98.4)より2.7ポイント減少し、3カ月連続の減少となった(添付資料図参照)。内訳をみると、現況指数は141.36月:147.2)で5.9ポイント減少、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は65.36月:65.8)で0.5ポイント減少した。コンファレンスボードの経済指標シニアディレクターのリン・フランコ氏は同日の発表で「インフレに対する懸念、特にガソリンと食品価格の上昇は引き続き消費者の重荷になっている」と指摘し、米国連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために金利を引き上げる中、7月は自動車や住宅、家電製品の購買意欲がいずれもさらに後退したと述べた。先行きについては「今後6カ月間は、インフレと追加利上げが個人消費と経済成長にとって強い逆風となりそうだ」との見通しを示した。

(樫葉さくら)

(米国)

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