ドバイのCPIは上半期を通じて上昇傾向、6月は前年同月比5.8%増

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2022年08月02日

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ統計センターは719日、ドバイ首長国の消費者物価指数(CPI)統計PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。6月のCPI上昇率は前年同月比5.84%となり、20221月の1.74%から上昇傾向が続いている。

6月のCPI上昇率を支出分野別にみると、「レクリエーション・スポーツ・文化」が35.76%、「交通」が33.32%、「食品・飲料」が8.94%と大きく上昇している。特に「交通」と「食品・飲料」は全体に占めるウエートがそれぞれ約1割を占めていることから、居住者の生活に大きく影響が出ていると考えられる。

「交通」上昇の主な要因として、ガソリン価格の高騰がある。UAEでは、「Special 95」(レギュラーガソリンに相当)の7月の国内公定価格は4.52ディルハム(約163円、AED1AED=約36円)となり、1月の2.53ディルハムに比べて約79%も値上がりしている(2022年8月2日記事参照)。

ガソリン価格の高騰に伴い、ドバイや他の首長国のタクシー料金も段階的に値上げを強いられている。ドバイ道路・交通局(RTA)は7月にも料金の改定を行い、1キロ当たりの運賃を1.99ディルハムから2.21ディルハムと、約11%の値上げを行った。配車アプリのウーバーも値上げしている。

物価上昇を受けて、UAE政府は74日、低所得の自国民に対する支援策を発表している〔7月4日付国営エミレーツ通信(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。支援内容としては、世帯収入の月額合計が25,000ディルハムに満たない自国民に対して、新たに住宅費や学費などへの手当を導入するほか、既に支給している世帯主、主婦、子供に対する手当を増額する。また、インフレ対策として、燃料や食品、電気・水道に対する補助金を支給するとしている。

これらの手当や補助金はUAE自国民に対してのみ適用されるため、国内人口の約9割を占める外国人は対象とはなっていない。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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